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「鉄鎖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄鎖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
場から遠ざかった。海ぞいに立て連ねた石杭《いしぐい》をつなぐ頑丈《がんじょう》な鉄鎖には、西洋人の子供たちが犢《こうし》ほどな洋犬やあまに付き添われて事もなげに....
星座」より 著者:有島武郎
本ずつ山から採ってきて植えた落葉松《からまつ》が驚くほど育ち上がって立っていた。鉄鎖《てつさ》のように黄葉したその葉が月の光でよく見えた。二本は無事に育っていた....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ある餓鬼の姿よりなき幹枝を見れば、ありし日の俤何処ぞやと嘆ずるのほかなく、転変の鉄鎖の冷たさは、夢幻まさに泡影の如しというべし。 ――ここにおいて、三月六日切....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
むのを耐え得ぬ、医学士「ウム例のか、動きなど仕やがって、仕ようがないなア、最っと鉄鎖を緊《きつ》くして置くが宜い」斯う言って、出て来るのを止めた様子だ、有難い、....
真田幸村」より 著者:菊池寛
」と言って、自ら先に飛込んで渡った。 幸村は、夙にこの事あるを予期して、河底に鉄鎖を沈め置き、多数が河の半ばまで渡るを待って、これを一斉に捲き上げたので、先陣....
創生記」より 著者:太宰治
、若きいのち破るとも孤城、まもり抜きますとバイロン卿に誓った掟、苦しき手錠、重い鉄鎖、いま豁然一笑、投げ捨てた。豚に真珠、豚に真珠、未来永劫、ほう、真珠だったの....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
なたは……」 八木少年はびっくりして、うしろへとびのいた。おそろしい顔だ、太い鉄鎖《てっさ》でつながれている囚人だ。極悪《ごくあく》の人間なのであろう。なんと....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
のうまいクイクイの神様こと、実は日本人漁夫の三浦須美吉であった。 ダン艇長も、鉄鎖でつながれている太刀川を見て、 「おお、……」 と、いって、かけだそうとし....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
も、思いきって自分の鎖を振り棄て、自由で高潔な精神をもってあたりを見まわしたが、鉄鎖が肉に食いこんでいるのを見て、ふたたび戦慄し失望してみじめな自分に還るのであ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。その拍子に箱の蓋が取れた。と、見よ! 箱の内部には、仔牛ほどもある猩々が、堅く鉄鎖で縛られながら、気絶したまま倒れている面紗の婦人の枕もとに居然と坐っているで....
深川女房」より 著者:小栗風葉
縞の羽織の襟を洩れて、印譜散らしの渋い緞子の裏、一本筋の幅の詰まった紺博多の帯に鉄鎖を絡ませて、胡座を掻いた虚脛の溢み出るのを気にしては、着物の裾でくるみくるみ....
印度の詩人」より 著者:国枝史郎
容貌と声とが何より詩であり美であった。 その彼の祖国印度もどうやら長年の英国の鉄鎖から解放されそうである。 解放された印度からどんな詩人が産れることか。....
偽刑事」より 著者:川田功
思い出した様に枯葉が零れて居た。垣根と云うのは石の柱と、其を結び付けて垂れ下った鉄鎖がある丈けで、人の出入も自由であった。彼女が其処へ差蒐った時、彼は直ぐ其後へ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
の乗りたる箱車を牽く犬もあり。石狩川の水を引ける掘割の傍に宿屋ありけるが、小熊を鉄鎖にて木に繋げり。大人も小児も打寄りて見物す。その小熊ぐるぐる廻りて、時々ちゅ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
原地帯へ踏み入って来ました。右手|遥かに海が咆え、やがて断崖の上に張りめぐらした鉄鎖らしいものが眼に入ってきます。 「そうだ! そこを左の方へ曲って……もうちょ....