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鉛管
「鉛管〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉛管の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、発射されたのでした。まず河竹は短剣の柄を栓の口に嵌め込んでから、そこと元捻迄の
鉛管に小さな孔を開けて、其の部分の空気を排気※筒で抜いてしまったのです。そして元....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
と思う所を見廻した。今日も同じように雨がざあざあ落ちて、彼の踏んでいる土は地下の
鉛管まで腐れ込むほど濡れていた。ただ昼だけに周囲は暗いながらも明るいので、立ちど....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
れに車の轍が深い溝をなして刻みつけられてあった。車道が人道に接する所には、水道の
鉛管がはみ出していた。それが青白くされ※びて、あがった鰻を思わせるような無気味な....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
雑然と置いてあった。大理石の手洗器が、実験台の向うの隅にあり、壁には電線の入った
鉛管が並んで走っていた。個人の研究室としては実に豪華なものであった。 「こっちに....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、博士の屋敷あとへいくと、いくらでも出て来る。博士は地下の原料タンクから地上まで
鉛管を何本も出して、ポンプで吸出すように仕掛を作っておいたから、雷管のついた薬莢....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その見せてくれぶりが、雲霧を払って白日を示すように鮮かなものである。今までの単に
鉛管を引いてタラタラと水を流してくれるに過ぎなかったのが、この人のみが巨大なる鉄....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
また放したりする。流し口の穴のつまったのをこうして疎通させる工夫と見える。流しの
鉛管をつまらせる事は日本人の特長であるらしい。 看護婦が手押車に手術器械薬品を....
「鉛をかじる虫」より 著者:寺田寅彦
、ちょっと穀象のような恰好をした鉛のような鼠色の昆虫である。これが地下電線の被覆
鉛管をかじって穴を明けるので、そこから湿気が侵入して絶縁が悪くなり送電の故障を起....
「夏」より 著者:寺田寅彦
い数日前露艦がこの辺の沖に見えたという噂もあった。われわれが験潮器を浜に据えて、
鉛管を海中へ引っぱっていたので、何か水雷でもしかけているという噂をされたそうであ....
「パラティーノ」より 著者:野上豊一郎
此の家の存在を忘れていたくらいで、一八六八年の発掘の際、或る部屋の片隅から水道の
鉛管を掘り出したら、それに名前が彫ってあったので初めてリヴィアの家らしいというこ....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
に管をうずめて、川から水をひくことにした。かれはサクラ号の浴室にそなえてあった、
鉛管を利用した。 つぎにモコウは、一生けんめいに動物やさかなの料理をするたびに....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
ニャックとヴィンセントで、シニャックは普通の画家らしい身なりだが、ヴィンセントは
鉛管工夫などの着るナッパ服にあちこちに絵具のくっついたのを着ている。話しているの....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
がある。毎日|白粉《おしろい》をつける婦人たちは勿論《もちろん》、西洋には水道の
鉛管のために鉛毒を受ける人も沢山あるから我国でも水道の水を飲む人は毎日梅干を食べ....