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鉤の手
「鉤の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉤の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
っすぐにはいると、左側に大きい井戸があった。その井戸側について左へ曲がると、また
鉤の手に幾軒かの長屋がつづいていた。しかし長屋は右側ばかりで、左側の空地は紺屋の....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
、妙な建方、すぐに壁で、壁の窓からむこう土間の台所が見えながら、穴を抜けたように
鉤の手に一つ曲って、暗い処をふっと出ると、上框に縁がついた、吃驚するほど広々とし....
「古木」より 著者:豊島与志雄
常態を失していましたし、かねての糖尿病も悪化していました。医者は首を傾げました。
鉤の手に建てられた家屋の、一番奥の室から、廊下を距てて、床高に作られた書院が、病....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
にも刀はなかった。その次の間へ行った。そこにも刀はなかった。そこを出ると廊下で、
鉤の手に曲がっていた。その角にあたる向こう側の襖をあけるや、角右衛門は、 「おお....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
へ現われた。が、その次には紋也の姿は、廊下のどこにも見えなくなった。しかし廊下が
鉤の手に曲がって、老人が講義をしている部屋の、入り口のほうへつづいていたが、その....
「回想録」より 著者:高村光太郎
も文字通りの九尺二間の長屋であった。家の前を上野広小路の方から流れて来る細い溝が
鉤の手になって三味線堀に流れていた。少し行ったところが佐竹原という原っぱになって....
「春」より 著者:岡本かの子
へ消えて行った。京子は走って潜戸まで行く。幻影はまた逃げる。潜戸を出て左へ走り、
鉤の手に右に曲った。京子は口惜しさに立ち止まった。自分を迎えに来て呉れたと思った....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
これも遠慮なく御馳走になることにしました。娘たちの後からついていった部屋は廊下を
鉤の手に回った奥の西洋間らしい階段の下の、スグ取っ付きの部屋でした。明け放した廊....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「ござれ」 と、部屋の外へ導いた。 そして外へ出ると、また、短い階段を上り、
鉤の手に曲っている廊下を、奥深くはいって行った。 その辺で、ふと、先にいた安房....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
胸がおどる。 物かげに潜んで、一応辺りを眺め廻すと、船手組のお長屋や役宅の棟が
鉤の手なりに建てならび、阿波守の住む下屋敷の方へも、ここからは何の障壁もなく、庭....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
鳥と見れば、彼は情炎の猟犬に等しい。 今しも、だんだんに追いつめてきた奥廊下。
鉤の手に曲るところを、そのままそれればまたもとの茶の間あたりへ入るのだが、そこへ....