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「鉤形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉤形の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
が、不眠症になるような取引を申しこまれたのはどこのマクロー様かね。」太田ミサコは鉤形《かぎがた》の鼻を鳴らして殺風景な部屋椅子に腰を下ろすと、埃のつんだ卓子《テ....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
のある岬が見えますね。あの岬は鳥喰崎と呼ばれていますが、あの先端の向う側が、一寸鉤形に曲っていて、そこに小さなよどみと云いますか、入江になった吹き溜りがあります....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
席が、ヴィオラ奏者のオリガ・クリヴォフ夫人であって、眉弓が高く眦が鋭く切れ、細い鉤形の鼻をしているところは、いかにも峻厳な相貌であった。聞くところによれば、彼女....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
まま上半身を俯伏しているが、両手は水牛の角のような形で前方に投げ出し、指は全部|鉤形に屈曲している。その傷口の下が、流れ出した血で湖水のような溜りだ。が、それに....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ではない。此を見てくれとさし出す翁の右手をよく見れば、第三指の尖が左の方に向って鉤形に曲って居る。打診に精神がこもる証拠だ。乃公の打診は何処をたゝいても患者の心....
細木香以」より 著者:森鴎外
、角だけ先ず売ったので、跡は崖に面した小家のある方から、団子坂上の街に面した方へ鉤形に残っている。その街に面した処に小さい町家が二軒ある。一つは地所も家も高木の....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いる玉幡の中へ落し込んだのだ。また、それ以前に犯人は、繍仏の指の先に、隠現自在な鉤形をした兇器を嵌め込んで置いたのだが、その兇器は、その場限りで消え失せてしまっ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
醒めない。 顔をのぞいて、武蔵は、鎌の刃を、爪でひき出した。青じろい刃と柄が、鉤形になった。 武蔵はその刃へ、濡れ紙を巻いて、そして梅軒のちょうど首の輪のと....