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鉦鼓
「鉦鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉦鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の役僧教重であった。諸仏開帳の例として、開帳中は数十人の僧侶が、日々参列して読経
鉦鼓を勤めなければならない。しかも本寺から多勢の僧侶を送って来ることは、道中の経....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
録中でおもしろいと思わるるのは、ある書では笛の音がよく反響しないとあり、他書には
鉦鼓鈴のごときものがよく響かないとある事である。笈埃随筆では「この地は神跡だから....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
銜《くわ》へたる農夫と茅葺屋根の軒下に行きちがひたり。遥なる木母寺《もくぼじ》の
鉦鼓《しょうこ》に日は暮れ、真崎稲荷《まっさきいなり》の赤き祠《ほこら》に降る雪....
「三国志」より 著者:吉川英治
のは何者か」と、いぶかっていると、搦手の山道からおよそ三百人ほどの手下を従えて、
鉦鼓をうち鳴らし、旗をかかげ、 「おーい。箭を放つな。おれ達は孫将軍のお味方だ。....
「三国志」より 著者:吉川英治
子龍を先頭とする五百騎であった。 同時に、玄徳の本軍も遠くから潮のような諸声や
鉦鼓の音をあげて威勢を助けていた。 全陣の真只中を趙雲の五百騎に突破されて、曹....
「三国志」より 著者:吉川英治
なかった。 馬は勇み、人々の意気は躍る。 「よし!」 と曹操の言下に、合図の
鉦鼓が鳴り渡った。とたんに一人、馬を出し、馬上に弓矢をつがえた。 諸人これを見....
「三国志」より 著者:吉川英治
ねばならぬ。 「や。あれは?」 玄徳は今、その本陣にあって、耳を聾せんばかりな
鉦鼓を聞いた。しかし彼の眉は晴々とひらいた。そこへ麓から使者が馳せてきて大声に披....
「三国志」より 著者:吉川英治
ちてきた。 「敵だ?」と、備えを改めるいとまもない。またたちまち一方の沢からも、
鉦鼓を鳴らして、一軍が奇襲してきた。さしもの趙雲も狼狽して、 「西の谷あいは広い....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
はこのころの常識であったろう。それから『深川集』の有名な一つづき、 我跡からも
鉦鼓打ち来る 嵐蘭 山伏を切つて掛けたる関の前 翁 鎧も....
「後の日の童子」より 著者:室生犀星
るものに火を点けた。かれらは、かれらの生んだものを慕うそれにふさわしい、小さいお
鉦鼓を叩いた。 笏は、玄関へ出た。そして植込みをながめ、表へ出た。そして往来の....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
夜空をそめて、一道の赤い火光が、天の川をつらぬいていた。 いんいんたる貝の音や
鉦鼓が城外の諸方面に聞える。総攻撃開始の気勢である。けれど織田勢はまだ城壁の下に....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
てこれを流すというのにも意味があろう。 ○ 踊りが魂送りの日を盛りとして行われ、
鉦鼓喧噪してひたすらに幽霊の追却に力めているのは、これまた仏教の圏外のものである....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
い。この派の行者を鉦打と云う。空也の鉢叩きが瓢箪を叩いたと同様に、遊行派のものは
鉦鼓を打って人の門に立ち、念仏を申して報謝の手の内に生きるのである。この鉦打は鉢....