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鉱泉
「鉱泉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉱泉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
気がたまらなかった。その隣りは竹林寺《ちくりんじ》で、門の前の向って右側では鉄冷
鉱泉を売っており、左側、つまり共同便所に近い方では餅《もち》を焼いて売っていた。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。 二人がここを出ようとすると、下の方から七人連れの若い人が来ました。磯部の
鉱泉宿でゆうべ一緒になった日本橋辺の人たちです。これも無論に案内者を雇っていまし....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
る魚という文字が、ものもあろうに希臘語で現われたのだった。しかし、それはたぶん、
鉱泉脈の間歇噴気によるものならんと云われている。
「いや、それはいずれまた聴....
「わが町」より 著者:織田作之助
〆団治は君枝と次郎を千日前へ遊びに連れて行った。 そして竹林寺の門前で鉄冷
鉱泉をのみ、焼餅を立ちぐいしていると、向い側の剃刀屋から、 「し、し、し、〆さん....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
のこもった決意がかたまるものである。 まア落付いて話しましょう。こゝはつまり、
鉱泉といったって、実はアイビキ旅館ですがね、これも後学のためですよ、などゝヤス子....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
何から何まで知っている年寄りを案内人に頼んであげよう」 「ありがとう」 「ここは
鉱泉で、ワカシ湯だから、入浴は朝の七時から夜の九時までだが、日中はあの滝にうたれ....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
いが、湯にすると、落し口にたまる。部落では湯花と云わずに湯渋と云っているが、この
鉱泉は渋の色をしていて、味も渋く、万事渋の表現が適している。三吉はこの湯渋と木炭....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
は一日もないという状態である。 わずか五百戸に足らぬ辺鄙な山村であるが、なまじ
鉱泉が少しばかり湧くおかげで、温泉宿と名のつく旅館が二軒あり、それにつれて、旅の....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
のはそこへ参詣をしてから、流れの急な湯小屋の方へ下りて行ったものだ。その湧出する
鉱泉を引いて、初めて浴場らしい形を見せたのは、明治二十五年のことであり、それ以後....
「秋深き」より 著者:織田作之助
ずに済んだと、うれしかった。湯槽に浸ると、びっくりするほど冷たかった。その温泉は
鉱泉を温める仕掛けになっているのだが、たぶん風呂番が火をいれるのをうっかりしてい....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
りになった。 東京の湯屋は白湯を主としていたのであるが、明治二十年頃から温泉、
鉱泉、薬湯、蒸風呂などの種類が殖えた。そのほかに江戸以来の干葉湯というのもあった....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
せん。足音一つ響かないくらい、それは静なものでした。それで、これが温泉宿……いや
鉱泉宿です。一時世の中がラジウムばやりだった頃、憑ものがしたように賑ったのだそう....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
い銀杏返しに結って、紺飛白の単衣に紅い帯を締めていた。その風体はこの丘の下にある
鉱泉会社のサイダー製造に通っている女工らしく思われた。色は少し黒いが容貌は決して....
「西航日録」より 著者:井上円了
。 谷川の景にかわりはなけれどもかわりし地にて見ると思へば また一日、英国中の
鉱泉場なるハロゲートに遊び、その規模の大なる、結構の盛んなるを見て、 此地見ては....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
出温泉というのが目についたので、一汗流して行こうとなった。這入って見ると鉄渋色の
鉱泉で、それも沸し湯だった。上って浴衣を借りると、実に薄汚なくてくしゃくしゃして....