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「鉾先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉾先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
になるわけはない。まだ十合《じゅうごう》と刃《は》を合わせないうちに、見る見る、鉾先《ほこさき》がしどろになって、次第にあとへ下がってゆく。それがやがて小路のま....
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
仰しゃるにしろよ、ノメ/\這入《へえ》りこんでそゝのかすてえことはねえ筈」 と鉾先は伊之助に向きまする。 伊「鳶頭《かしら》まことに面目ない……、私もお若さ....
行人」より 著者:夏目漱石
が」と兄が云った。自分はどんな議論が彼の口から出るか、次第によっては途中からその鉾先《ほこさき》を、一座の迷惑にならない方角へ向易《むけか》えようと思って聞いて....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
出で二人の前に供したれば、二人は無言の儘忙わしく喫べ初めしも、喫て先ず脾だるさの鉾先だけ収まるや徐々と話に掛り、目科は今宵の一条を洩さず細君に語り聞かす流石探偵....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
。今氏郷は南から来て四竈を過ぎて其の中新田城に陣取ったが、大崎家の余り強くも無い鉾先《ほこさき》ですら、中新田の北に当って同盟者をさえ有した伊達家の兵に大打撃を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がよくって、口前がいい、色男の正味を肯定するような口ぶりになってしまうと、今度は鉾先《ほこさき》がお蘭さんなるものの方に向って、しきりにそのお蘭さんをくやしがる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いものであることは申すまでもありません。 ムク犬は後ろへ退《しさ》ってその槍の鉾先《ほこさき》を避けました。勢い込んだ神尾主膳は、逃《のが》さじとそれを突っか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のを、お許しくださいましょうね。」 それらの親切で平凡な言葉のうちには、皮肉な鉾先《ほこきき》が少し隠されてはいたけれども、たいへん慇懃《いんぎん》な調子がこ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かった。しかし百姓はしつこく言いたてた。取って置きのクリストフ自身やルイザの方へ鉾先《ほこさき》を向けて、牛乳やバタやクリームを無理にも押しつけようとした。クリ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ら。そこでリュシアン・レヴィー・クールは、単に思想上の抽象的な対抗から、注意深く鉾先《ほこさき》を隠した対人間的な戦いへ、それとなく移っていった。コレットがその....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
署長は暫く私の顔を見つめていたが、その事については、もう追及しようとせず、質問の鉾先を一転したのだった。 「君は笠神博士の所へ、よく出入するそうですね」 「は」....
光は影を」より 著者:岸田国士
もう、わかりました」 家族の手前、彼もあつさり切り上げるつもりで、不機嫌な父の鉾先を封じようとした。しかし、父は、まだ、ひとりでぶつぶつ言つていた。 弟の事....
奥の海」より 著者:久生十蘭
めと二人で、奥羽街道を上っていらっしゃったという、意外な返事だった。 金十郎も鉾先《ほこさき》を折り、尻内へ帰ってぼんやりしていたが、いろいろと考えあわせると....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
七星を背にして戦う者は勝つ」と、信じていた。 いま、あおげば、七星は、その鋭い鉾先《ほこさき》を、東南に向けている。 「ああ勝利の兆《しるし》だッ。」 迷信....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
兵衛、その代り前へ進んで一気に思いを遂げようとした。お茶漬を食べてひらりひらりと鉾先《ほこさき》を交し、お艶はなおも近江屋一件を頼み込んで帰る。元来《もとより》....