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銀モール
「銀モール〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀モールの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
け出す、そして自分が告発されるのだと思うと、まるで生きた心地もなかった。美々しく
銀モールで刺繍をした赤い立襟や佩剣などが、もう眼の前にちらついて……彼は全身ブル....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
っき黒吉の掛けていた衣裳箱に、腰を下した。 彼女の肉襦袢の、腰の辺につけられた
銀モールの刺繍が、トゲトゲと、黒吉の眼に沁み込んで、顫えていた。 黒吉は、口を....
「電車の見えない電車通り」より 著者:宮本百合子
ぐうしろで、 「ストライキ見に来たよ」 と太い男の声がした。ふりかえって見ると、
銀モールの太い紐をかけた潰し島田に白博多の帯をしめた浴衣姿の芸者がいて、男はその....
「待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
登ると、傍聴券検査所と黒札の下ったところへ入った。そこには詰襟のフロックコートへ
銀モールをつけたような制服の守衛とくすんだ色の上被りをつけた四十前後の女のひとが....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ではなかったわけでした。
でも、クリスマスなんかは外の飾りからすっかり消えて、
銀モールその他なんかどこにも売って居りません。お正月のお餅は切符でこしらえます。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ったろう。なぜなら、彼はこの国王通御のことを少しも知っていなかったから。二時に、
銀モールをつけた近衛騎兵の一隊に取り巻かれた王の馬車が、サルペートリエール救済院....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
のであります。 まず行列の最前列には、楽隊がずらりと並び、その後には金モールや
銀モールの美しい、凛々しい服を身につけたポルトガル人が騎馬で、並んだのであります....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
たらしかったにもかかわらず、一つ一つの衣料をひどく念入りに扱い、軍服についている
銀モールは指で特別になで、ふさを振ってなおすのだった。こうした入念さにはほとんど....