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銀世界
「銀世界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀世界の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
驚きました。どうにも、その、驚いたです。雨戸をあけたら、こう、その、まあ一種の、
銀世界、とでも、等と汗を拭き拭き申し上げるのであるが、一種も二種もない、実に、愚....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
。 文「大層降って来たなア」 森「大層降り出して来ましたねえ」 文「一面の
銀世界だなア」 森「へい、銀が降って来ましたか」 文「なアに好《い》い景色《....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
百八町は二寸厚みの牡丹雪《ぼたんゆき》にぬりこめられて、見渡すかぎりただひと色の
銀世界でした。風がまたはなはだしく江戸前にわさびのききがよくて、ひりひりと身を切....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のお下屋敷目ざして息づえあげさせました――雪はもとより降りつづいて、文字どおりの
銀世界。ぼうッと夢のようにぼかされた白銀《しろがね》のその雪の夜道を、豆州家自慢....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
にし早朝から邸を出た。 昨日の雪が一二寸積もり、江戸の町々どこを見ても白一色の
銀世界で今出たばかりの朝の陽が桃色に雪を染めるのも冬の清々しい景色として何とも云....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の腹を裁《た》ち割って、その臓腑を天井に向って投げつければ、寝室はたちまち一面の
銀世界。さすがのタヌも、いまは早や天国の夢も醒《さ》め果て、衣裳戸棚の中に避難し....
「雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
みこめば、ずぶりと穴のあく、ぱさぱさの雪、その雪の穴から足を抜いては、またまえの
銀世界に穴をあけて、膝をするようにしてゆく。疲れたと見える。幾度か転んで、M君を....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の狂歌師の吟咏《ぎんえい》を画賛となせり。狂歌集『狂月望《きょうげつぼう》』及『
銀世界《ぎんせかい》』に挿《はさ》みたる歌麿の山水は今日《こんにち》欧洲人の称賛....
「正義」より 著者:浜尾四郎
とねこんでしまった。 翌日は好晴だった。雪も風もやんだけれども、あたりは一面の
銀世界である。 おそい朝食をすませたところへ、女中が、 「御手紙でございます」....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ましたが、静寂な天地はたちまちそれを吸い取って、まだ闇の気配の残る、燻しをかけた
銀世界にはなおも霏々として雪は降り続くのでした。小径へ入ると、折れた竹や倒れた柴....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すぐ妃の君が玻璃の※を盆にささげて、細殿の簾ごしに見えたお姿と共に、外いちめんの
銀世界にも初めて気づき、 「雪か」 と、まばゆげな眉をしゅんと持ち直した。そし....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
雑俎《ござっそ》に見えたり。暖国の雪一尺以下ならば山川村里|立地《たちどころ》に
銀世界をなし、雪の飄々《ひょうひょう》翩々《へんぺん》たるを観て花に諭《たと》へ....
「雪の日」より 著者:近松秋江
あまり暖いので、翌日は雨かと思って寝たが、朝になってみると、珍らしくも一面の
銀世界である。鵞鳥の羽毛を千切って落すかと思うようなのが静かに音をも立てず落ちて....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
った……ということは、それだけよけいに降り、それだけよけいにつもった昨夜の美しい
銀世界のさまはすでになく、どこをみても沼のようなぬかるみの、しかも無慚に蹴返され....