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銀側
「銀側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀側の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
の兄が病死する前後の事であった。病人は平生《へいぜい》から自分の持っている両蓋の
銀側時計を弟の健三に見せて、「これを今に御前に遣ろう」と殆《ほと》んど口癖《くち....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
追っつかなくなった。そしてとうとう僕は父からもらった時計を売ってしまった。それは
銀側の大きな時計で、鍵を真ん中の穴に入れてギイギイと廻す、ごく古い型のものだった....
「家」より 著者:島崎藤村
…お前さんが持っているその時計ですね……」 「これですか」と三吉は兵児帯の間から
銀側時計を取出して、それを大きな卓の上に置いた。 「極く古い時計でサ、裏にこんな....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
ましたころは、もう五時を過ぎていた。水の色もやや夕暮れ近い影を帯びていた。清三は
銀側の時計を出して見て、思いのほか長く寝込んだのにびっくりしたが、落ちかけていた....
「時計」より 著者:宮本百合子
とけたような心持であった。 これの代りに、程経ってから両蓋のやはりウォルサムの
銀側が出来た。父がこれも買ってくれたのであった。私はそれに再び黒いリボンを結びつ....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
んか。」 「ええ。」と昌作は殆んど無意識的に答えた。 俊彦は帯の間から、小さな
銀側時計を引出して眺めた。昌作は何とはなしに、こんな場合に彼が時計を持ってるのが....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
お出よ」と同じ言を繰り返されたり。予は凱旋の将の如く得々として伯父より譲られたる
銀側の時計をかけ革提を持ち、「皆様御健勝で」と言うまでは勇気ありしが、この暇乞の....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
さん、もう何時だろう?」と思い出したように聞く。 金之助は床の間に置いてあった
銀側時計を取って見て、「三時半少し過ぎだ。まあいいじゃねえか」 「いえ、そうしち....