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「銀器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銀器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
昭和五年七月、渋柿) * 純白な卓布の上に、規則正しく並べられた銀器のいろいろ、切り子ガラスの花瓶に投げ込まれた紅白のカーネーション、皿の上のト....
備忘録」より 著者:寺田寅彦
喫茶店の清潔なテーブルへすわって熱いコーヒーを飲むのも盛夏の候にしくものはない。銀器の光、ガラス器のきらめき、一輪ざしの草花、それに蜜蜂のうなりに似たファンの楽....
コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
ヒーを飲んだ気になりかねる。やはり人造でもマーブルか、乳色ガラスのテーブルの上に銀器が光っていて、一輪のカーネーションでもにおっていて、そうしてビュッフェにも銀....
十二支考」より 著者:南方熊楠
饗するに馬の炙《やきもの》の脚を去り、腰と臀《いさらい》を最上饌とし切って十の金銀器に盛るとありて、その食いようを詳述す。『周礼』に馬を六畜の首《はじめ》とした....
十二支考」より 著者:南方熊楠
中に銀の什器《じゅうき》を入れ窃盗と誣告《ぶこく》す。その手荷物を検するに果して銀器あり。因って絞殺に処せられ、屍を絞架上に釣り下げ置かる。かの男の父、その子の....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
グゲーラ》を。そして、貧しき母の為の産院寄附金募集には上流貴婦人連が各自家重代の銀器を持ち出して華々しい展覧会を開催するというグロテスクな皮肉に亢奮させられては....
カール・マルクスとその夫人」より 著者:宮本百合子
新ライン新聞』の名誉とケルン市における友人の名誉を救うために、カールはイエニーの銀器類までを含めて一切の財産を売った。イエニーは手紙の中に書いた。「三人の子供と....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
、聖心女学院出、 頭のよい、派手ずき。 お茶のテーブルに花をまき、クリームを銀器で出すという風。 長尾半兵衛の息、ケイオーに七八年居、いつ卒業するかあての....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
手なもので私の嫁入道具にすると云って一組だけ今まで売らずにいたのでした。それから銀器が五六点。 「雪子、これ土蔵から出しておいてくれ。それから東さんを呼んで来て....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
というのは和名鈔に盛食器也とあって飯笥のことである。そしてその頃高貴の方の食器は銀器であっただろうと考証している(山田博士)。 一首は、家(御殿)におれば、笥....
千世子(三)」より 著者:宮本百合子
す。 「私の驚くほど奇麗だと思うもの―― 月の光の中の雪とオパアルと日向で見る銀器と。 篤は行きつまった様に千世子の方を見て笑った。 「ええ、ええ、そう....
旅へ出て」より 著者:宮本百合子
とも雲のない様な所には銀を水晶で包んだ輝きを持って居る。 太陽のよくさす部分は銀器を日向で見る様にこまかい五色の色の分るのが有るのさえわかる。 紺青の色も濃....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
侶は、彼の包を持ち、また洋傘をとりに戻った。その時、ヴァランタンは、親切に、あの銀器の事を不注意に言わないようにと注意した。が、ヴァランタンは誰に向って話してい....
百喩経」より 著者:岡本かの子
トーストを一枚、苺のジャムを塗ってね」 男の忠実に働く手とカフスが六つばかりの銀器に映る。 庭の桜と梨の花が息を詰めて覗く。蒼空を下から持上げようと薔薇色の....
女強盗」より 著者:菊池寛
)をおろしたり、台所へ行って、火をもやしたりして、食事の用意を始め、やがて美しい銀器に食物を盛って、主人の女にもこの男にも喰わせた。一体、この男がはいった時に、....