銀地[語句情報] »
銀地
「銀地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀地の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
ている。髪の毛ではない無数の蛇の舌が断間なく震動して五寸の円の輪を揺り廻るので、
銀地に絹糸の様に細い炎が、見えたり隠れたり、隠れたり見えたり、渦を巻いたり、波を....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
以上に生々としたものに盛り上らせている。 あだかも、その空に飛ぶように見せて、
銀地に墨くろぐろと四五ひきの蜻蛉が帯の模様によって所を得させられている。 滝の....
「爛」より 著者:徳田秋声
の女房ぶりが、自分にも珍しかった。 羅紗問屋の隠居が、引越し祝いに贈ってくれた
銀地に山水を描いた屏風などの飾られた二階の一室で、浅井の棋敵の小林という剽軽な弁....
「宵(一幕)」より 著者:宮本百合子
障子は悉く開け放されている。 正面上手の壁には、瀟洒《しょうしゃ》な秋草を描いた
銀地の色紙をかけ、下に、桑の茶箪笥。稍々《やや》下って配置よく長火鉢や水屋棚が置....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
椹や米栂を交え、白樺や、山榛の木や、わけては楊の淡々しく柔らかい、緑の葉が、裏を
銀地に白く、ひらひらと谷風にそよがして、七月の緑とは思われぬ水々しさをしているが....
「断層顔」より 著者:海野十三
めにだ」 「僕はもちろんお供しますよ、おじさま」 甥は急に笑顔になった。 水
銀地階区三九九――が谷間シズカと碇曳治との愛の巣の所在だった。 老探偵は甥と肩....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
模様、背広連が、多くその席を占めて、切髪の後室も二人ばかり、白襟で控えて、金泥、
銀地の舞扇まで開いている。 われら式、……いや、もうここで結構と、すぐその欄干....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、老の腕に女浪の袖、この後見の大磐石に、みるの緑の黒髪かけて、颯と翳すや舞扇は、
銀地に、その、雲も恋人の影も立添う、光を放って、灯を白めて舞うのである。 舞い....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
―丁度他家からおくられた、熊谷直実《くまがいなおざね》の軍扇を摸したのだという、
銀地に七ツ星だか月だかがついていたものだ――をもっていて身をふせいだのを、撃剣《....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
も幾度も繰り返して、まるで、饑えた犬が、牛の骨をもらいでもした様にして見るので、
銀地へ胡粉で小綺麗な兎を描き、昔の絵にある様な、樹だの鳥だのをあしらった表紙も、....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
を取得し得、また同じ小麦に対して、造幣局が彼に四三〇シリング銀貨に鋳造すべき額の
銀地金を取得し得るならば、彼は銀で支払うことを選ぶであろうが、けだし彼はその債務....
「魔像」より 著者:林不忘
方の奥ざしきだ。 ガヤガヤしてたやつがぴったり止《と》まる。見る――なるほど、
銀地《ぎんじ》に短冊を散らし貼《ば》りにした屏風が、死人の枕頭《ちんとう》を囲む....
「日記」より 著者:宮本百合子
朝花屋へ行って花を買って来て写生する。 なかなかよく出来ないで困って居ると
銀地へ図案の様に置くがいいと云うのでそうするつもりで玉川堂に緑青と銀を買いに行く....