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銀扇
「銀扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
漕《こ》ぎ上《のぼ》せて、静かな月と静かな波の映り合う真中に立って、用意してある
銀扇《ぎんせん》を開いたまま、夜の光の遠くへ投げるのだと云うじゃありませんか。扇....
「野分」より 著者:夏目漱石
夏のいい月夜に屋根舟に乗って、隅田川から綾瀬《あやせ》の方へ漕《こ》がして行って
銀扇《ぎんせん》を水に流して遊んだら面白いだろう」 「気楽云ってらあ。
銀扇を流す....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
稽古《けいこ》帰りか、袱紗包《ふくさづつみ》を胸に抱くようにした娘たちが、朱骨の
銀扇で、白い顔をかくすようにして行く、女形《おやま》を、立ち止って見送ると、
「....
「とっこべとら子」より 著者:宮沢賢治
ゃ。大力じゃのう。ほめ遣わす。ほめ遣わす。さらばしかと預けたぞよ」 さむらいは
銀扇をパッと開いて感服しましたが、六平は余りの重さに返事も何も出来ませんでした。....
「黄泉から」より 著者:久生十蘭
おくれといった。芸者たちが、おもて、みよし、艫とわかれておもいおもいに空へ川面へ
銀扇を飛ばすと、ひらひらと千鳥のように舞いちがうのが月の光にきらめいて夢のように....
「春」より 著者:岡本かの子
、玄関に近い一方の戸を開けた。庭の表面にただよう月光の照り返えしが、不意に室内に
銀扇を展げた形に反映した。窓の閾に左足をかけた京子は、急に寒けを催すような月光の....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ぞ》めの長き振袖に、花山車《はなだし》を織り出したる金繍《きんらん》の帯を締め、
銀扇を高くかざしていたったるは、花束もてこの扇を射よとの心であろう。倨然《ぎぜん....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
市川紅若《いちかわこうじゃく》その他である。木村女史の戯曲『すみだ川』はその著『
銀扇集《ぎんせんしゅう》』に収められている。 昭和十年十月|麻布《あざぶ》の....