銀杏形[語句情報] » 銀杏形

「銀杏形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銀杏形の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
あった。大根は初冬に入り肥えかかっていた。七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形の片れの中で、ほど良しと思うものを彼は箸で選み上げた。手塩皿の溜醤油に片れ....
光のない朝」より 著者:宮本百合子
の声を止めてひっそりとなった。 年齢の見当がつかないほど萎《な》え凋んだ蒼白い銀杏形の顔、妙に黒く澄んだ二つの眼、笑っても怒っても、先ず大きな前歯の上で弱々し....
美しき月夜」より 著者:宮本百合子
を前後に揺るくらいのことでは、とうてい抜けるものではない。胴で括れて、末端が広く銀杏形に開いた女の高い踵は、恰も運命の係蹄の如く、微妙な一点で、彼女を完全に生捕....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
から弦之丞の来あわせるのを待ちぬいていたところ。 浅黄の手甲脚絆をつけ、新しい銀杏形の藺笠と杖まで、門口に出してある。 もし万が一にも露顕した時には、四国屋....
私本太平記」より 著者:吉川英治
……?」 むなしく夕月の果てを見送って、草の小道をもとの方へもどって来た人は、銀杏形の忍び笠の上から、さらに頬かぶりの布を顎の下でむすび、どこかの郷士らしい風....