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銀盤
「銀盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
田池《はんだいけ》という大きな池がある。春のことでいっぱいたたえた水が、月の下で
銀盤のようにけぶり光っていた。池の岸にははんの木や柳が、水の中をのぞくようなかっ....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
たる月、満々たる水といいましょうか。澄《す》みきった天心に、皎々《こうこう》たる
銀盤《ぎんばん》が一つ、ぽかッと浮《うか》び、水波渺茫《すいはびょうぼう》と霞《....
「食魔」より 著者:岡本かの子
が置かれてある。いつの間に近寄って来たか給仕の老人は輪切りにした牛骨の載れる皿を
銀盤で捧げて立っている。老人は客が食指を動し来る呼吸に坩を合せ、ちょっと目礼して....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
んでいるためであると説明する人もあったが、うそか本当か判らない。いずれにしても、
銀盤とか玉盤とか形容するよりも、銅盤とか銅鏡とかいう方が当っているらしい。それが....
「超人間X号」より 著者:海野十三
にして、大きな銀の盤のようなものが直立して、この塊を包囲《ほうい》していた。その
銀盤は、よく見ると、内がわの曲面いっぱいに、たくさんの光った針が生えていた。 ....
「田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
そうに開いた。ちょうど堂守が寺院の扉を開くような工合である。そして郵便物を載せた
銀盤を卓の一番端の処へ、注意してそっと置いた。この
銀盤は偶然だが、実際ある寺院で....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
連り亘る山々の薄墨の影の消えそうなのが、霧の中に縁を繞らす、湖は、一面の大なる
銀盤である。その白銀を磨いた布目ばかりの浪もない。目の下の汀なる枯蘆に、縦横に霜....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
三郎の刀尖、平七郎の剣をはじき流して、かろうじて危地を脱した栄三郎、強打を伝えて
銀盤のごとくふるえ鳴る武蔵太郎を、こんどは車形にうち振りつつ、
「おウッ!」
....
「印象」より 著者:小酒井不木
ことなく、落ついた表情をして居りました。 いよいよ分娩が始まりました。やがて、
銀盤を竹の箆で摩擦する音のような、いわゆる呱々の声がきこえました。私は思わず、赤....
「はなしの話」より 著者:岡本綺堂
んでいるためであると説明する人もあったが、うそか本当か判らない。いずれにしても、
銀盤とか玉盤とか形容するよりも、銅盤とか銅鏡とかいう方が当っているらしい。それが....
「霊廟」より 著者:永井荷風
梟《ふくろ》が啼いている。月の光は幾重《いくえ》にも重《かさか》った霊廟の屋根を
銀盤のように、その軒裏の彩色を不知火《しらぬい》のように輝《かがやか》していた。....
「三国志」より 著者:吉川英治
い。きのうの彼女とは人がちがうようだった。やがて大宴となる。呉海呉山の珍味は玉碗
銀盤に盛られ、南国の芳醇は紅酒、青酒、瑪瑙酒など七つの杯に七種つがれた。 喨々....
「三国志」より 著者:吉川英治
子は口直しに後でいただきます」と、答えた。 酒五斗に、大きな羊を、丸焼きのまま
銀盤に供えて喰わせた。左慈は、ぺろんと平げて、まだ物足らない顔していた。 「これ....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
かったのかもしれない。ある夏の日である。それはたいそう暑い日だったとみえ、大きな
銀盤に氷が盛ってあった。皇太子はふといたずら心に、 『姫。……離してはいけないよ....