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銀砂子
「銀砂子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀砂子の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
引いたのは無かったと思う。 続き、上下におよそ三四十枚、極彩色の絵看板、雲には
銀砂子、襖に黄金箔、引手に朱の総を提げるまで手を籠めた……芝居がかりの五十三次。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の前に、菩薩が求児擁護の結縁に、紅白の腹帯を据えた三方に、置忘れた紫の女|扇子の
銀砂子の端に、「せい」としたのを見て、ぞっとした時さえ、ただ遥にその人の面影をし....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
少し丈が長過ぎる。黒髪が人並よりぐっと黒いので、まれに交っているわずかな白髪が、
銀砂子のように奇麗に光る。中背の撫で肩の上にラファエルのマリア像のような線の首筋....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
め鱒かと思った。夜中に眼が覚めて外を覗くと、鬱陶しかった谷の空はいつの間にか星が
銀砂子を撒いていた。 二日。晴れ渡った空には一片の雲もない。今迄|緊め付られて....
「詩と官能」より 著者:寺田寅彦
ろいろの飾りものに映ってきらめいている。紫紺色に寒々とさえた空には星がいっぱいに
銀砂子のように散らばっている。町の音楽隊がセレナーデを奏して通るのを高い窓からグ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
夜《はれ》とともに一入《ひとしお》の寒気、降るようにとまでは往かなくとも、星屑が
銀砂子を撒き散らしたよう、蒼白い光が漂ってはいるが地上へは届かないから、中天に霞....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
た。何が何やら、さっぱりわからぬ、うわははははは」
そのとき……。
ツーイと
銀砂子《ぎんすなご》の空を流れる、一つ星。
「あ、星が流れる――ウウム、さては、....
「追憶」より 著者:宮本百合子
て私は屏風の円くなって居る前に座った。 障子を閉め切って澱んだ様な部屋の中に、
銀砂子を散らした水色の屏風の裏が大変寒く見える前に私は丁寧に手を突いた。 そし....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
顔が空明りのせいかくッきりと白い。 両刀は手ばさんでいるが、どこか華奢な風俗、
銀砂子の扇子を半開きにして口へ当て、 「お綱……」 と細目に格子を開けて覗く。....