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「銀笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銀笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
水の三日」より 著者:芥川竜之介
うな顔をした土細工の犬やいろんなおもちゃもあったが、その中に、五、六本、ブリキの銀笛があったのは蓋《けだ》し、原君の推奨によって買ったものらしい。景品の説明は、....
逆行」より 著者:太宰治
――汚い真似をするな。 私は身構えて、そう注意してやった。 懐から一本の銀笛が出た。銀笛は軒燈の灯にきらきら反射した。銀笛はふたりの亭主を失った中年の女....
犯人」より 著者:太宰治
めいせん》の袷《あわせ》、兵古帯《へこおび》、毛布、運動靴、スルメ三|把《ば》、銀笛、アルバム、売却できそうな品物を片端から取り出して、リュックにつめ、机上の目....
双子の星」より 著者:宮沢賢治
とも、きっとお宮に帰って、きちんと座《すわ》り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩|銀笛《ぎんてき》を吹《ふ》くのです。それがこの双子のお星様の役目でした。 ある....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
のも望まれた。国さんという可憐の少年も姉娘に附いて来ていて、温泉宿の二階で玩具の銀笛を吹いた。 そこは保福寺峠と地蔵峠とに挟まれた谷間だ。二十日の月はその晩も....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。真先きに、紫地に白く「千歳村粕谷少年音楽隊」とぬいた横旗を立てゝ、村の少年が銀笛、太鼓、手風琴なぞピー/\ドン/\賑やかに囃し立てゝ行く。入営者の弟の沢ちゃ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
《あかぶどうしゅ》。 食後、詩を纏《まと》めようとしたが、巧《うま》く行かぬ。銀笛《フラジオレット》を吹く。一時から又外へ出てヴァイトリンガ河岸への径《みち》....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
と声を上げた。「白粉! 白粉! 例の白粉だ!」 とたんに笛の音が聞こえて来た。銀笛のような音であった。白粉の上を伝わって来た。その白粉は白々と、森帯刀家の下屋....
無題(一)」より 著者:宮本百合子
いろいろな話をするんです。それから日が少し西に落ちかけて森の上が赤くなる頃、私は銀笛を持ちローズは歌の本をもって小さい川を渡って森ん中に行き、紫の山を見て木の幹....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
優しい眼をして秋安を見たが、臆病らしく走り去った。 白味を含んだ蒼い空から、銀笛の音色を思わせるような、雲雀の声が降って来る。そうしてヒラヒラと野路からは、....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
する手太鼓の音が、円座を作った真ん中から、夢のように微妙に聞こえて来た。とそれへ銀笛の音が混った。幽かに幽かに鉦の音も――その不思議な調和というものは! 人をし....
おもちゃ店」より 著者:小川未明
》、紫《むらさき》に、塗《ぬ》ったゴムまりや ぴかぴかと顔《かお》の映《うつ》る銀笛《ぎんてき》や、らっぱや、 なんでも子供《こども》の好《す》きそうなものが ....