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銀粉
「銀粉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銀粉の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
抛《ほう》り投げた。岩は凄じい地響きをさせながら、見物の若者たちの近くへ落ちて、
銀粉のような砂煙を揚げた。
大勢の若者たちはまた以前のようにどよめき立った。が....
「兄たち」より 著者:太宰治
、その三男が画《か》いたのですけれども、シュウル式の出鱈目《でたらめ》のもので、
銀粉をやたらに使用した、わからない絵でありました。長兄は、創刊号に随筆を発表しま....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
組となく桜の陰などに遊んでいる。水上を遠く眺めると、一直線に流れてくる水道の末は
銀粉を撒《ま》いたような一種の陰影のうちに消え、間近くなるにつれてぎらぎら輝いて....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ち目付かるだろう。いやこの俺が目付けてみせる。……それから金銀円方として、金粉、
銀粉、鹿頭、白花蛇、烏蛇、樟脳、虎胆の七種を、丸薬として服ませもするが、これとて....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
といったようなものを二寸四方位の板に練り固めて、縦横十文字に切り型を入れて金粉や
銀粉がタタキ付けてある。無害無効の清涼剤だが、その一枚を三十か四十かに割った三角....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
の犢が光った鼻を出した。 ――もお―― 濡れた鼻息は、陽炎に蒸されて、長閑に
銀粉を刷いた。その隙に、姉妹は見えなくなったのである。桃の花の微笑む時、黙って顔....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に合った綺麗好きで、腰のも一所に、ただ洗いただ洗いするんですから、油旱の炎熱で、
銀粉のようににじむ汗に、ちらちらと紗のように靡きました。これなら干ぼしになったら....
「百銭」より 著者:宮本百合子
細かい面相で芥子粒位のものを描く仕事をしなければならない。細かいその仕事は金粉や
銀粉をつかってする仕事だから、たった一つの電燈の光でも四畳半の穢い部屋の中では随....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
en 駅に六時半に着いた。太陽は向うの丘に傾いて、美しく晴れた空にその太陽の光が
銀粉をまいたようにさしていた。ドナウに中華流の小橋が懸っていたりした。向うの山上....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
絶えずする玉蜀黍がズーッと一列に並んで、薯や何かの低い地を被うて居る作物の上には
銀粉を散らした様な細まやかな閃きが躍って居る上をフンワリとかぶせた様なおぼろげな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た木がつけられていて通例は火がなかった。暖炉のうちに鉄の薪台が一対あって、以前は
銀粉を塗られていた花帯と丸みぞとで飾られてる二つの花びんが備えてあった。それは司....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
へピクニックに行ったことだの、四芸術祭《レ・キャザール》にフレッドさんが身体中に
銀粉を塗って〈へール・コロンビア〉を歌いながらブゥルヴァルを裸で歩きまわったこと....
「蝉の美と造型」より 著者:高村光太郎
体は短く、腹部の末端の急すぼまりのところが可笑しい。彫刻では翅は雲母を蒔いたり、
銀粉を掃いたりする。ツクヅクボウシとカナカナとは女性的で、獲るとすぐ死ぬ。姿も華....