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「銃後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銃後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
しばらくして、その兵隊さんの留守宅の奥さんからも、もったいない言葉の手紙が来る。銃後奉公。どうだ。これでも私はデカダンか。これでも私は、悪徳者か。どうだ。 し....
風の便り」より 著者:太宰治
持になってしまって、「誰も君に寄りやしないじゃないか。坐り給え。僕が悪かったよ。銃後の女性は皆、君のようにしっかりしていなければいけないね。」などと言ってほめて....
乞食学生」より 著者:太宰治
て、飼い殺しと同じだ。何も出来やしないじゃないか。卑屈《ひくつ》になるばかりだ。銃後はややこしくて、むずかしいねえ。」 「何を言ってやがる。君は、一ばん骨の折れ....
さようなら」より 著者:田中英光
争となり、それが日本の敗色濃く、しきりに東京空襲が行なわれるようになると、ぼくは銃後にいても多くの周囲の同胞に、このように非情な、「さようなら」を告げる機会が多....
空襲警報」より 著者:海野十三
を行うためであります。皇軍の各部隊は既にそれぞれ勇猛|果敢なる行動を起しました。銃後にある忠勇なる国民諸君も、十分沈着元気に協力一致せられて、防護に警備に、はた....
変る」より 著者:豊島与志雄
を折った。 「だが、あなたは一つ考え落してることがありますよ。満洲は現在、謂わば銃後の土地でしょう。われわれは皆、前線の戦地のことを考えてるのです。満洲がもし前....
四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
月五日、室戸岬へ) おほらかにおしよせて白波 ごろごろ浜 水もころころ山から海へ銃後風景 おぢいさんおばあさん炭を焼いてゐる 旅はほろほろ月が出た 旅のからだを....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
。所どころ、実戦に参加した者でなければ書けないなま/\しい戦場の描写がある。後の銃後と相俟って、旅順攻囲の終始が記録的に、しかも、自分一個の経験だけでなく、軍事....
今日の感想」より 著者:坂口安吾
……先頃、文芸銃後運動の講演会か何かがあって、壇上の諸家が期せずして一人も文学を語らなかったと....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
誕生だの徴兵是非などが新聞雑誌に論議されてワイワイ世論をまき起しているけれども、銃後に原バクがチャンと落ッこッてる今日の戦争において、兵隊と銃後に変りはない。む....
『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
いにして、御稜威のもとに、建国二千六百余年の光輝ある国史をもち、軍人は忠勇無双、銃後国民も亦すこぶるりっぱです。この点ではどこの国にも負けません。しかしながら、....
四つの都」より 著者:織田作之助
単にいえば、若い帰還軍医中尉の帰還直後一週間の行動である。私はこの青年を借りて、銃後を明るくさせるほぼ理想的な現代の青年の一つの型を示してみた。ひとは彼を見て、....
社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
用意されているだろう。又或る契機に於ては、社会政策(特に動員下戦時体制下に於ける銃後の社会問題への関心)に重心を置く。すると必ずしも日本型ファシズムの非民衆的な....
挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
と云われることにもなるのである。 挙国一致というものの最も端的な表現であるこの銃後の熱誠は、こうして、如何なる意味に於ても、観念的な本質のものであることを卒直....
茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
、老生このごろ涙もろく、涙が出ます。御歌も厳選にて困りますが御しんばう願ひます、銃後は決して御心配ありません国民も張り切つてゐますし、外交のへなへなも、このごろ....