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銘々
「銘々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銘々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
しいあたりを、親しい人や疎《うと》い人が、何かわけもなくせわしそうに現われ出て、
銘々いちばん深い印象を与えるような動作をしては消えて行った。葉子の知覚は半分眠っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
飛び乗った。だだっ広《ぴろ》いその客車には外務省の夜会に行くらしい三人の外国人が
銘々、デコルテーを着飾った婦人を介抱して乗っているだけだった。いつものとおりその....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
い不安の雲が蔽《おお》い被《かぶ》さった。医師は医師で、産婆は産婆で、私は私で、
銘々《めいめい》の不安に捕われてしまった。その中で何等の危害をも感ぜぬらしく見え....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
を待っている所に走って行きました。
僕達は若い女の先生に連れられて教場に這入り
銘々の席に坐りました。僕はジムがどんな顔をしているか見たくってたまらなかったけれ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の主義で、兄弟|一家一門を揃えて、天下に一階級を形造ろうというんだ。なるべくは、
銘々それぞれの収入も、一番の姉が三百円なら、次が二百五十円、次が二百円、次が百五....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
らない。若し降ったら、賊の刀の錆とならなければならない。この危機にあって、船員は
銘々が最も端的にその生命を死の脅威から救い出そうとするだろう。そしてその必死の努....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
っと若いころから真理の問題に関する人間の考え方を注意して見てきたが、各々の学派は
銘々に自分らの意見を固執して他の派の考え方に反対している。私はそのいずれもを疑わ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
再び呼んだ。―― だが、誰も応えるものはなかった。一同は闇の中に高く動悸のうつ
銘々の心臓を感じた。 (どうしたのだろう?) そのとき正面と思われる方向の闇の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
船にでも酔いたい、と一人が串戯に言い出しますと、何と一樽|賭けまいか、飲むことは
銘々が勝手次第、勝負の上から代銭を払えば可い、面白い、遣るべいじゃ。 煙管の吸....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ど一人姫が多い。誰も彼も多いと云う。 念のために、他所見ながら顔を覗いて、名を
銘々に心に留めると、決して姫が殖えたのではない。定の通り十二人。で、また見渡すと....
「薬」より 著者:井上紅梅
店の中には大勢の客が坐っていた。老栓は忙しそうに大薬鑵を提げて一さし、一さし、
銘々のお茶を注いで歩いた。彼の両方の※は黒い輪に囲まれていた。 「老栓、きょうは....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
、どこに行くよりも、ここに来るのがいちばんうれしかったの。ともどもに苦労しながら
銘々がいちばん偉いつもりで、仲よく勉強しているのを見ていると、なんだか知らないが....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
いられて絵を描いているのか、さっぱり見当もつかない怪しげなものが沢山におります。
銘々の婦人に幾何の共通な方向があって、制作を規定したり、撰択したりするのかは知り....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
」 「見なさる通りこうやって、二|百三百と預ってありましょう。殊にこれなんざあ御
銘々使い込んだ手加減があろうというもんだから。そうでなくッたって粗末にゃあ扱いま....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
というものがはっきりして来るかに思われる。艱難に対しての或る勇気が生れ出て来る。
銘々が
銘々の仕事を独力でやって行くのに或る促進を受ける。これは確かに北海道の住民....