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銛
「銛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
安吉と云うのが、その夫の名前だった。成る程女の云うように、生きている頃は、一発|
銛を撃ち込む度に、余分な賞与にありついていた。が、一年程前に時化に会って、北海丸....
「道標」より 著者:宮本百合子
代は、女として伸子が、そこにひけめをもってでもいるように、その一点を狙って放った
銛《もり》のように云って椅子から立ち上った。丁度そのとき、アパルトマンの廊下で電....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
せるのがその任務だ。2はバンデリエイル。徒歩だ。三人出る。バンデリラという短い手
銛のような物を、正面または横側から牛の背部、首根っこへ近いところへ二本ずつ打ち込....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、と。 そこで取巻いた二十|艘《そう》ばかりの八梃櫓《はっちょうろ》の鯨舟が、
銛《もり》を揃えて子鯨にかかる。 子鯨は負傷する、親鯨はそれを助けんとして奮闘....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
して、捕鯨用具を一とおりそろえた。鯨を見つけたら、伝馬船と漁船で、鯨に突進して、
銛、手槍、爆裂弾をつけた
銛を、鯨にうちこんで、鯨と白兵戦をやって、しとめるのであ....
「闘牛」より 著者:野上豊一郎
で、第二のピカドルが他の側から駆けつけて来て槍を刺し込んだ。バンデリエロも六本の
銛を立てるのにだいぶ苦心した。 最後にスエルテ・デ・マタルの場面となり、小ベル....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
吹きかすめて、遙かの船からははっきりと見ることが出来なかった。あたかもその時、魚
銛発射手のムレアドが船首から船尾へやって来て、右舷船首にあたって奇妙な声がすると....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
からね。するとU字管には色々な現象が想像されますが、さしずめ、一本の伝声管の端に
銛を作ったと仮定しましょう。そして、それに空気を激突させるような仕掛を側に置いた....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
くじらぶいち》ということを知っているか。鯨の上納金を鯨分一というのだ。船を出して
銛《もり》で突きとめた、突き鯨にたいしては二十ノ一、死んで海岸に寄り着いた、寄り....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
た釣り人は全くあるまい。 台湾大甲渓の山女魚は、先年大島正満博士が原住民と共に
銛と筌で漁り、鮭科の魚の分布に関して学問上の報告を出したので有名である。 ....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
あ、モダンガールといったところでしょうかな。 ところが雄鯨は情愛が深い。雌鯨が
銛を打たれると、決して側を離れないのである。心痛、悲哀の状を真っ黒い背中に現わし....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
隠されている貴婦人や農夫や、フランダースの飾り皿の和蘭《オランダ》の風景や、鯨に
銛《もり》をうっている諾威《ノルウェー》の捕鯨船の図などに眼をよせて眺めると、今....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ランスロット式柔軟体操。 九時 体術《リュット》。 十時――十一時半
銛《もり》打ち。 十二時 昼飯《ひるめし》。 二時 高飛び。 三時....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の如く、辛苦して硝子の水槽の中に養わざる限りは、常に西海の珊瑚暗礁の底深く隠れ、
銛も刺網もその力及ばず、到底東部日本の雪氷の地方まで、我々に追随し来る見込はない....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
珍らしく目に映った。日は容赦なくどんどん落ちて行く。河狩りの人達が長い柄の付いた
銛や網などを担いで向うからやって来た。鱒が獲れるのだそうだ。今日汽車で渡った片貝....