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銭湯
「銭湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銭湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
一
天保《てんぽう》二年九月のある午前である。神田同朋町《かんだどうぼうちょう》の
銭湯松の湯では、朝から相変らず客が多かった。式亭三馬《しきていさんば》が何年か前....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
恐しくもあれば望ましくもあった。………
男の夢を見た二三日|後《のち》、お蓮は
銭湯《せんとう》に行った帰りに、ふと「身上判断《みのうえはんだん》、玄象道人《げ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
屋の閾《しきい》をまたいだのは、師走の二十四日の四つ頃(午前十時)で、彼は近所の
銭湯へ行って、帰るとすぐに夕方まで高いびきで寝てしまった。 「治六さん。相変らず....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
足りなかったと思う。)の事実を素通りしてはまったく意味をなさない。 現在東京の
銭湯に通っている癩患者は推定八十人もいるそうだが、政府の役人も、映画製作者も、観....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
を貰っていたが、雨が降ったり、あまり涼しかったりする日は沸たないので、自然近処の
銭湯に行くことになった。吉弥も自分のうちのは立っても夕がたなどで、お座敷時刻の間....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
方へヨロヨロと歩み去るのであった。 次の日は、夜に入って、彼が月島の自宅から、
銭湯に行ってのかえりに、小橋の袂から、いきなり飛び出して来た。 相良十吉は思っ....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
したつまらないものでもいいのですが、例えば、会社、学校が毎日曜日に休むとか床屋、
銭湯が何曜日に休業するとか、或は又何かの市が毎週何曜日に立つとか、どんな事でもい....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
それは――M市の場末に近い「あづま」と呼ぶ土工相手の銘酒屋の女将が、夜に入って、
銭湯へ出掛けようとして店の縄暖簾を分けあげた時に、暗い道路の向うからよろよろとや....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
「浮世風呂」の名があっても、それは書物の題号であるからで、それを口にする場合には
銭湯とか湯屋とかいうのが普通で、元禄のむかしは知らず、文化文政から明治に至るまで....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
―これは評判が好くて長続きした。半身肌脱ぎになって首から上へ真白に白粉を塗って、
銭湯の柘榴口に見立てた板に、柄のついたのを前に立て、中でお湯を使ったり、子供の人....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
のようなタイル張りや人造石の建築は見られない。どこの風呂場も板張りである。普通の
銭湯とちがって温泉であるから、板の間がとかくにぬらぬらする。近来は千人風呂とかプ....
「快走」より 著者:岡本かの子
足の快感が忘れられなかった。外出する口実はないかと頻りに考えていた。 「ちょっと
銭湯に行って来ます」 道子の思いつきは至極当然のことのように家の者に聞き流され....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
私に決まり、共産党も社会党に同調したので思わぬ票になった。当時は家にふろがなく、
銭湯に出かけていたが、湯ぶねの中で、近所の者に『あんなアパートから総理大臣候補が....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
えたが、いまさら聘珍楼に帰れた義理でもない。ふと思いついたのは、いつもいっていた
銭湯のことである。そこのおかみさんが、いつもやさしい言葉をかけてくれたが、もうそ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の石井さんのあるだけですね。ああ、それから提灯屋もあった。……」 伯母「あすこに
銭湯もあったでしょう。」 僕「今でも常盤湯という
銭湯はありますよ。」 伯母「常盤....