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「鋏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
「そんな気は誰でも致すものでございますよ。爺《じい》やなどはいつぞや御庭の松へ、《はさみ》をかけて居りましたら、まっ昼間《ぴるま》空に大勢の子供の笑い声が致し....
老年」より 著者:芥川竜之介
流れをへだてて、対岸のともしびが黄いろく点々と数えられる。川の空をちりちりと銀の《はさみ》をつかうように、二声ほど千鳥が鳴いたあとは、三味線の声さえ聞えず戸外....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ば》いに歩いていると、握り飯が一つ落ちていた。握り飯は彼の好物だった。彼は大きい《はさみ》の先にこの獲物《えもの》を拾い上げた。すると高い柿の木の梢《こずえ》....
少年」より 著者:芥川竜之介
根を断《た》ってしまうものではない。むしろ古い問の代りに新らしい問を芽ぐませる木《きばさみ》の役にしか立たぬものである。三十年|前《ぜん》の保吉も三十年|後《....
忠義」より 著者:芥川竜之介
ま》っている。うす暗いので、はっきりわからないが、どうやら鼻紙|嚢《ぶくろ》から《はさみ》を出して、そのかき乱した鬢《びん》の毛をんででもいるらしい。そこで....
或る女」より 著者:有島武郎
に流れるように漂っていた。苔香園《たいこうえん》のほうから園丁が間遠《まどお》に《はさみ》をならす音が聞こえるばかりだった。 若さから置いて行かれる……そう....
一房の葡萄」より 著者:有島武郎
ぎ取って、真白《まっしろ》い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の《はさみ》で真中《まんなか》からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに下さいました....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
くかきさえすれば、きっといいに違いない、そんな事を一心に思い込んでしまう。そしてを持った手の先で、ひとりでに、想像した曲線をひざの上に幾度もかいては消し、かい....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
白髪天窓にちょきり結び。結び目の押立って、威勢の可いのが、弁慶|蟹の、濡色あかきに似たのに、またその左の腕|片々、へし曲って脇腹へ、ぱツと開け、ぐいと握る、指....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ちますならお願い申したいほどですわ。三反持って参りますと、六尺ずつに切りたいが、というものもなし……庖丁ではどうであろう。まあ、手で裂いても間に合いますわ。和....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
高かるべきを思い、白泡のずぶずぶと、濡土に呟く蟹の、やがてさらさらと穂に攀じて、に月を招くやなど、茫然として視めたのであった。 蘆の中に路があって、さらさら....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
てなりませんでした。 『でも、人間は、この枝振りが気に入らないなどと言って、時々でチョンチョン枝を摘むことがあるでしょう。そんな時にあなた方は矢張り腹が立ちま....
化鳥」より 著者:泉鏡花
、散々悪巫山戯をした挙句が、橋の詰の浮世床のおじさんに掴まって、額の毛を真四角にまれた、それで堪忍をして追放したんだそうだのに、夜が明けて見ると、また平時の処....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の女房たちは、ひだのついた帽子をかぶり、胴の長いガウンを着て、手製の下衣をつけ、や、針さしやら、派手なキャラコの袋を外側にたらしていた。かわいげな乙女たちも、....
狂人日記」より 著者:秋田滋
ところだった。が、そのまま死なせては血が見られないことになる。 そこで、私は、、小さな爪切を手にとり、おもむろにのどを三ヶ所切った。小鳥は口を開いて、逃げ....