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「鋤鍬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋤鍬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
》しいといって、何もくれなかったりした。土掻《つちかき》や、木鋏《きばさみ》や、鋤鍬《すきくわ》の仕舞われてある物置にお島はいつまでも、めそめそ泣いていて、日の....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
土地の仕切り定めぬ、 さなくば光や空気と同じく持主は定め難からん。 今はこの土も鋤鍬の責苦のみか 人はその臓腑の奥までも掻きさぐりぬ。 宝を求めて人は穴を掘りぬ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は或るうつわを取り出して、それを蝋燭の火に照らし視た。さらに手箱のうちから一具の鋤鍬と、一頭の木牛と、一個の木人とを取り出した。牛も人も六、七寸ぐらいの木彫り細....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ここにも見ることができるであろう。 稲田桑畑芋畑の連なる景色を見て日本国じゅう鋤鍬の入らない所はないかと思っていると、そこからいくらも離れない所には下草の茂る....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
私は此処の家へ這入って働き男になり、牛馬を牽いたり、山で麁朶をこなし、田畑へ出て鋤鍬取っても随分お前の手助けしようじゃアないか、然うして置いて下さい」 やま「そ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、その杖で、何だか九字でも切るような様子をしたじゃアありませんか。思出すわ。……鋤鍬じゃなかったんですもの。あの、持ってたもの撞木じゃありません? 悚然とする。....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
ともとの道へ帰ろうとする山の際の、信行寺と云う寺から出て来る百姓|体の男が、鋤鍬を持って泥だらけの手で、一人は草鞋一人は素足で前へ立って、「誠に貴方どうも思....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
古来農桑を御奨励になり、正月の初子の日に天皇御|躬ずから玉箒を以て蚕卵紙を掃い、鋤鍬を以て耕す御態をなしたもうた。そして豊年を寿ぎ邪気を払いたもうたのちに、諸王....
電車停留場」より 著者:豊島与志雄
停留場の名を呼び上げていった。今彼の心に懸ってるものは何もなかった。故郷の田舎に鋤鍬を執って働いてる、父や兄夫婦などのことも、二十七歳にしてまだ家を成さず、合宿....
風波」より 著者:井上紅梅
七斤は田舎に住んではいるが少しく野心を持っていた。彼の祖父から彼の代まで三代|鋤鍬を取らなかった。彼もまた先代のように人のために通い船を出していた。毎朝一度|....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
たちが集まって、虫供養ということをするそうです。これは平常田や畑へ出て働くうち、鋤鍬の先に触れて死ぬ虫を憐み、また作物を育てるためには害虫駆除をして思わぬ殺生を....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
垣を破って逃出そうとすると、平常小前の者に憎まれて居りますから、百姓衆は手に/\鋤鍬を執り、名主を殺せ、名主を殺せ。と云うので、到頭無茶苦茶に殺してしまいました....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
の火とろとろと燃ゆ。土間には坐るべき荒むしろと、腰をかくべき切株などあり。ほかに鋤鍬の農具あり。打ちかけたる藁屑など散乱す。下のかたには丸太を柱ととしたる竹門あ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 わが夢の世に来て欺く 名聞や身後の誉の迷を咀う。 妻となり子となり奴婢となり鋤鍬となり、 占有と称して人に媚ぶる一切の物を咀う。 宝を見せて促して冒険の業を....
」より 著者:永井荷風
を発見した。父を初め、一同、「しめた」と覚えず勝利の声を上げる。田崎と車夫喜助が鋤鍬《すきくわ》で、雪をかき除《の》けて見ると、去年中《きょねんじゅう》あれほど....