»
鋩
「鋩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
平生|包《つつ》み蔵《かく》しているお延の利かない気性《きしょう》が、しだいに鋒
鋩《ほうぼう》を露《あら》わして来た。おとなしい継子はそのたびに少しずつ後《あと....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
を拝聴するはずだったね。さあ話し給え。もう邪魔はしないから」と迷亭君がようやく鋒
鋩《ほうぼう》を収めると、
「向上の一路はヴァイオリンなどで開ける者ではない。そ....
「俊寛」より 著者:菊池寛
罵った。俊寛の名が漏れたのは、使者の怠慢であるといいつのった。が、基康が、その鋒
鋩を避けて相手にしないので、今度は自分を捨てて行こうとする成経と康頼に食ってかか....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
リアリズムやトリビアリズムやミミクリーに終るべきものが、映画では嶄然たる芸術的鋒
鋩を現わすのだ。自然現象に関して云えば、スクリーンは世界の物性の好さを、物質の運....
「巌流島」より 著者:直木三十五
たかも知れない」 後年熊本に於いて当時の試合の話が出て、さる人が、 「小次郎の
鋩子尖《きっさき》が貴殿《あなた》の眉間を傷つけたそうで御座るが」 と云った時....
「寛永相合傘」より 著者:林不忘
江鍛冶ではないかしら――とこう思ったので、彼は瞳を凝らして三頭《みつがしら》から
鋩子先《ぼうしさき》、物打ち、かさね、関《まち》と上下に見直してみたが、見れば見....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
本当に刀を鑒るお方ですから、先ず中身の反り工合から焼曇の有り無しより、差表差裏、
鋩尖何や彼や吟味致しまするは、流石にお旗下の殿様の事ゆえ、通常の者とは違います。....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
の間も敵は逼《せま》って来る。 中段に付けた敵の刀が、月光を吸ってキラキラと、
鋩先《きっさき》を上下へ動かすので、無数に螢が飛ぶようだ。 次第に半円が縮まっ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
来ない。否定は攻撃性を帯びて来る。笑いの論理は、次第にそれに固有だった論理性の鋒
鋩を、否定性を、批判性を、露骨にして来る。で今や事物はその肯定の内からやがてその....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
幾度か名誉賞を与えられた。一八五八年|牛津大学に移るに及びて、其英才はいよいよ鋒
鋩を現したが、過度の勉強の為めにいたく心身を損ね、病臥数月の後、保養のために大陸....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
妾は怖くはございません」 乞食、刀を見詰めている。 「鍛えは柾目、忠の先細く、
鋩子詰まって錵おだやか、少し尖った乱れの先、切れそうだな、切れてくれなくては困る....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
が、まるで二重人格のように、それまでの彼にはけっして見られなかった、一種異様な鋒
鋩の閃きなのであった。 法庭に天降ってくる、神の光のように、人の運命を秤るとき....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
舌りますのでな。……が、あいつも素早い奴でござる。ケシ飛び方が神妙でござった。裏
鋩子を胴へ受けたばかりでござろう。……とにかく帰宅だ」
「帰宅することにしましょ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、暫くして浮み上り、がぶ/\遣ってる処を上からスーッと一刀浴せたが、水の中ゆえ鋒
鋩が肩へ中ったか何うだか様子は分りません。侍は刀を提げたなりで水面を透して見て居....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
勢が全く変化し、ソ連は厖大なその東亜兵備を以て北満を圧しており、米国は未だその鋒
鋩を充分に現わしてはいなかったが、満州事変以来努力しつつあったその軍備は、いつ態....