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鋩子
「鋩子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋩子の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「巌流島」より 著者:直木三十五
たかも知れない」 後年熊本に於いて当時の試合の話が出て、さる人が、 「小次郎の
鋩子尖《きっさき》が貴殿《あなた》の眉間を傷つけたそうで御座るが」 と云った時....
「寛永相合傘」より 著者:林不忘
江鍛冶ではないかしら――とこう思ったので、彼は瞳を凝らして三頭《みつがしら》から
鋩子先《ぼうしさき》、物打ち、かさね、関《まち》と上下に見直してみたが、見れば見....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
切先から※元まで八寸八分……一点の曇もない。正宗相伝の銀河に擬う大湾に、火焔|
鋩子の返りが切先長く垂れて水気が滴るよう……中心に「建武五年。於肥州平戸作之。盛....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
すわって、ながいこと無心に夜泣きの脇差を抜いて見入っている。鍔元《つばもと》から
鋩子先《ぼうしさき》と何度もうら表を返して眺めているうちに、名匠の鍛えた豪胆不撓....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
妾は怖くはございません」 乞食、刀を見詰めている。 「鍛えは柾目、忠の先細く、
鋩子詰まって錵おだやか、少し尖った乱れの先、切れそうだな、切れてくれなくては困る....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
舌りますのでな。……が、あいつも素早い奴でござる。ケシ飛び方が神妙でござった。裏
鋩子を胴へ受けたばかりでござろう。……とにかく帰宅だ」
「帰宅することにしましょ....
「魔像」より 著者:林不忘
が、床の間の前に半月形《はんげつがた》に展開した。燭台《しょくだい》の灯《ひ》が
鋩子先《ぼうしさき》に、チララチララと花の様に咲いて……。 四 何....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
無反《むぞ》りの一刀、切っ先が点となって鶺鴒《せきれい》の尾みたいに震えながら、
鋩子《ぼうし》は陽を受けて名鏡のようにぴかありぴかりと光る。 「こいつはほんとに....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
お花畑には羊の群が草を喰《は》み、空をきりひらくアルプスの紙ナイフは、白い象牙の
鋩子《ぼうし》を伸べる。光る若葉|山杜鵑《やまほととぎす》。 二、落ちては登る....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
自己の心臓へ送るたびに、彼の剣は人間の骨を斬っているのだった。一|颯ごとに、その
鋩子から虹のように血を噴き、血は脳漿を撒き、指のかけらを飛ばし、生大根のように人....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
夜の雲に似る五の目乱れ、星の青さを吸って散らすかとばかりかがやかしい、鵜首作りの
鋩子に特徴のある太刀の相は――まず相州系、新藤五|国光とみてまちがいはない。 「....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、無銘ではあるが刃際の匂いが、幾多の血にも飽くまいかと眺められる。 はばきから
鋩子まで、目づもり三尺ばかりな関の業刀。 それが、灯明の前に横たわっている。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
「…………」 「一|揮して、風を断てば、剣は啾々と泣くのだ。星|衝いて、剣把から
鋩子までを俯仰すれば、朧夜の雲とまがう光の斑は、みな剣の涙として拙者には見える」....