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鋭気
「鋭気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋭気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
国家の為に幸福かも知れぬ。 吾党《わがとう》は大いに夏を愛する。暑ければ暑い程
鋭気に満ちて来る。やれやれ、何か面白い事をやってくれようと、そこで企てたのが本州....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
海士、どうだい、なんにも見えんか」 「月ばかりだ。点検が済んだら、すべからく寝て
鋭気を養うべしだ」言いつつ菓子皿に残れるカステーラの一片を頬ばり「むむ、少し……....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
髪の婀娜めくも眼前にちらつく暇なく、恋も命も共に忘れて敗軍の無念には励み、凱歌の
鋭気には乗じ、明ても暮ても肘を擦り肝を焦がし、饑ては敵の肉に食い、渇しては敵の血....
「沈没男」より 著者:海野十三
について、諄々説明があった。あのときには、しばしば英国全艦隊がこの港内に集結して
鋭気を養っていたそうで、すでに試験ずみの安全港であるそうな。 余が乗艦したロイ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ては、或いは君が喜びそうな新しい帝国海軍の行動がはじまるかもしれない。それまでは
鋭気をやしないながら、飛行島の様子を通じて相手国の出ようをにらんでいなければなら....
「蠹魚」より 著者:宮本百合子
が、明治維新によって目醒された自由平等の理想に鼓舞されて、延びよう延びようとする
鋭気を、事々に「お上」の法によって制せられ、幻滅を感じるが如何《ど》うにかして新....
「青春論」より 著者:坂口安吾
わけで、剣術本来の第一精神があらぬ方へ韜晦された風があり、武芸者達も老年に及んで
鋭気が衰えれば家庭的な韜晦もしたくなろうし、剣の用法も次第に形式主義に走って、本....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
だ! 七本松の黒々とわだかまった闇の蔭にシーッと息をこらしているかのような氷刃の
鋭気。 踵をかえして七、八歩、うしろを見るといつのまにか、そこにも狼群のような....
「三国志」より 著者:吉川英治
態だった。 後陣の呂布は、 「何たるざまだ」と、激怒して、「戦の第一に、全軍の
鋭気をくじいた罪は浅くない」と、李粛を斬ってしまった。 李粛の首を、軍門に梟け....
「三国志」より 著者:吉川英治
決して軽々しく見ることはできません。――それにひきかえ、わが呉は、新興の国です。
鋭気や若さはありますが、財力、軍の結束などまだ足りません」 「やめろというのか」....
「三国志」より 著者:吉川英治
を都へよびよせ、あざむいてこれを殺し、次に玄徳へも、おもむろに交術を施して、その
鋭気をそぎ、一面、流言の法を行って、彼と袁紹とのあいだを猜疑せしめるを以て、万全....
「三国志」より 著者:吉川英治
の戦端を陸地から選ぶは不利。よろしく江上の船戦をもって、第一戦の雌雄を決し、敵の
鋭気をくじいて後、徐々陸戦の機をはかるべきであろう」と、云ってやった。 すでに....
「三国志」より 著者:吉川英治
テ十万ノ寄手ト野戦ヲ構ウルハナオ拙ナリ。即チ、敵近ヅカバ、ソノ序戦ニ於テ、彼等ノ
鋭気ヲ一撃シテ挫キ、味方諸人ノ心ヲマズ安泰ニ固メ置キテ後、固ク城ヲ閉ジ、防備第一....
「三国志」より 著者:吉川英治
に成功したためしはないからだ。けれど、たとい不成功に終るにせよ、その間に逸る敵の
鋭気をなだめ、味方の軍備を万全となす効力はある。孫権はゆるした。 「そうだ、まず....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
現朝廷に仕える若い朝臣のあいだには、およそ現代の公卿気質ともいえるほどな、おなじ
鋭気をもった青壮年が多く見られた。――日野資朝、俊基の双輪は、いわばその代表的な....