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鋭角的
「鋭角的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋭角的の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
投げ出して、一角の兄、清水狂太郎は、ぐっすり眠っていた。 線の険《けわ》しい、
鋭角的な顔だ。まだ四十になったばかりなのに、だらしなくあいた胸元に覗いている黒い....
「昨今の話題を」より 著者:宮本百合子
が出ていた。名を忘れたけれども二人の女優のどちらもカスリン・ヘップバーンをもっと
鋭角的に直線的に削ったような顔だちであった。一見中性的で、或るかたさ、つめたさが....
「古傷」より 著者:蘭郁二郎
る。 『バカ』 力一杯コップを叩き落した。コップは石畳に砕け、細片はギラギラと
鋭角的な光を投げて転がった。……ころんころんころんと部屋の隅まで転がって行く破片....
「ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
えんは一にこの技巧と機知にかかつている。 彼が持つ精鋭なる武器、斬新なる技巧と
鋭角的な機知をさげて立ち現われると我々はそれだけでまず圧倒されてしまう。 技巧....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
るけれど、生存者の忘れることの出来ない壮観だった。空気が凝結したような、物の影の
鋭角的にくっきりした美しい夜である。信じられない程滑らかな海、頭上に近く、千古の....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
りがある。喜びとしないわけにはゆかない。 志ん生の噺にたいする一家言はなかなか
鋭角的で、半歩も他に譲らないきびしいものをもっている。権門に降《くだ》らず、ひた....
「黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
問題はいつから乗換えたか、ということである。 討幕薩長同盟いらいの向英一辺倒が
鋭角的に突如向米一辺倒に転換するのは、私の考えでは、明治三年五月下旬のことである....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
った、彼女は、何か寂しい翳があるというよりも寧ろ冷い感じのする容貌をもっていた。
鋭角的な輪廓、よく通った鼻筋、広い額、が、その冷たさに触れてかえって心が温まると....