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「鋳型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋳型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂言の神」より 著者:太宰治
るのだ。いまさら問答は無用であろう。死ぬることへ、まっすぐに一すじ、明快、完璧の鋳型ができていて、私は、鎔《と》かされた鉛のように、鋳型へさっと流れ込めば、それ....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
はなんとかちがった格好をしたのがあってもよさそうに思われるが、どれを見てもまるで鋳型に入れたようなもので、ばらの枝がみんな窮屈そうな顔をしてからみ合っているので....
さるかに合戦と桃太郎」より 著者:寺田寅彦
その上に文部省の監督があまりに行き届き過ぎるために教場における授業が窮屈で煩瑣な鋳型にはいってしまって、その結果は自由に広大であるべきものを極端に制限してしまっ....
金属人間」より 著者:海野十三
ちにある日、熔鉱炉《ようこうろ》の中に投げこまれ、出られなくなった。そのうちに、鋳型《いがた》の中につぎこまれ、やがて、かたまってお釜になっちまった。そうなると....
観点と距離」より 著者:寺田寅彦
も似たところが見付からないであろう。 その場合には、甲の頭の中にはちゃんとAの鋳型のようなものが出来ているので、BCDの中に、ちょっとでもAに似たところがある....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
者の不自然さが目立って来るようである。後者等は大体において人間心理を伝統的理想の鋳型に嵌めて活動させているとしか思われないのに反して、西鶴だけは自分自身の肉眼で....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
じまる。日本には内省から始まる知識というものが殆どなく、命令と服従、禁止と許可、鋳型の中で育てられて疑ることも知らず、自分で考えるということを知らないばかりでな....
私の小説」より 著者:坂口安吾
だ。つまり恋愛のことだ。 なぜ自由がかくも軽蔑されたか、自由を軽蔑し、不自由な鋳型の中に人間を縛らうとする古いモラルが間違つてゐるばかりでなく、自由自体に古い....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
なものは、彼女らは知らないし、関心も持っていない。 自由が許されても、彼女らは鋳型の中の女であり、ワクの中に自ら住みついて、個性的な生き方をしようとしない。彼....
博物誌」より 著者:岸田国士
しすぎる。からだのなかが醗酵したようになる。どうも気味がわるい。そこで林を出て、鋳型作りの職人たちが村へ帰って行く、その後ろを遠くからつける。 林の外へ出ると....
」より 著者:秋田滋
来ることはないのです。決して、決して生れて来ることはないのであります。なるほど、鋳型というものはあるでしょう。それを取っておけば、同じような輪廓をもち、同じよう....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
を与えた。さもなければ、錯乱状態か死に陥ったにちがいない時にも、この復讐が感情の鋳型になり、いろいろものを考えて平静にしていられるようにするのであった。 まず....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
り上がって来るじゃないか。○ 金の瓶がとろける。 繋がった貨幣がのた打ち廻る。○鋳型から 飛び出すようにズウカスの金貨の跳るのを見ると、 己の胸はわくわくする。....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
有様やの錯綜した全体であった。新しい表現の対象は、職人的な器用さや、使いきたりの鋳型で間に合うことはない。同じように春の夜や、桜や、秋風やをとり上げても、『古今....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
から先に行くと、人間を溶かす機械があり、そこで錆を落し、いったん湯にとけて、今度鋳型に流し込まれると羽根の生えた天人になって出るのです」 「そんなよいところなら....