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「鋳掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋳掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
げんのじょう》が鳥追姿《とりおいすがた》のおこよを見そめた時にも、あるいはまた、鋳掛屋《いかけや》松五郎が蝙蝠《こうもり》の飛びかう夏の夕ぐれに、天秤《てんびん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 芝、田町《たまち》の鋳掛屋《いかけや》庄五郎が川崎の厄除《やくよけ》大師へ参詣すると云って家を出たの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きの家に猫の声が聞えなかった。 神明の祭礼の夜であった。おなじ長屋に住んでいる鋳掛錠前直しの職人の女房が七歳になる女の児をつれて、神明のお宮へ参詣に行って、四....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、かれは江戸へ行って友達の寅吉をよんで来た。寅吉は深川に住んで、おもて向きは鋳掛け錠前直しと市中を呼びあるいているが、博奕も打つ、空巣狙いもやる。こういう仕....
十二支考」より 著者:南方熊楠
似合な話だが、呉の劉綱その妻|樊《はん》氏とともに仙となり、大蘭山上の巨木に登り鋳掛屋《いかけや》風の夫婦|連《づれ》で飛昇したなどその例多し。蜻※《とんぼ》や....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
この方がさばさばします。」 何としても、これは画工さんのせいではない――桶屋、鋳掛屋でもしたろうか?……静かに――それどころか!……震災|前には、十六七で、渠....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、所が山奥でございましょう。どうもね、余り美しくって物凄うございました。」 と鋳掛屋が私たちに話した。 いきなり鋳掛屋が話したでは、ちと唐突に過ぎる。知己に....
電車と風呂」より 著者:寺田寅彦
義などというものが出来るという人がある。一応|尤もらしく聞える。何とかいう芝居で鋳掛屋の松という男が、両国橋の上から河上を流れる絃歌の声を聞いて翻然大悟しその場....
海豹島」より 著者:久生十蘭
ました。どこから見ても見あらわされぬよう念をいれて剥製にし、裏側にはじゅうぶんに鋳掛けをし、コロジウムでくされをとめたうえ、石膏末ですべすべにし、ちょうどうす皮....
回想録」より 著者:高村光太郎
て、私等はそこから出たり入ったりして遊んだ。あれは幾度やってもうまく出来ないので鋳掛けで埋めた。一番よく鋳金が出来たのは楠公の像である。一番|酷かったのは、大き....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
しまのしらなみ》」がかかって、これから百余日も打ち通そうという大入続き。小団次の鋳掛松、菊次郎のお咲、梵字《ぼんじ》の真五郎と佐五兵衛の二役は関三十郎が買って出....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ると、よくこの界隈にもうろついている土佐犬で、飼主の佐平次は毒にも薬にもならない鋳掛け屋渡世の小堅人だが、どうしてどうして犬だけは大したもの、提灯に釣鐘じゃ、い....
巷の声」より 著者:永井荷風
も折々天秤棒を肩にして、「鋏、庖丁、剃刀研ぎ」と呼《よば》わりながら門巷を過るが鋳掛屋の声はいつからとも知らず耳遠くなってしまった。是れ現代の家庭に在っては台所....
澪標」より 著者:外村繁
は毎回出席した。トルストイの「闇の力」、チエホフの「熊」、「桜の園」、シングの「鋳掛屋の婚礼」、シュニツラーの「臨終の仮面」、それに武者小路氏の作品等を朗読した....
春泥」より 著者:久保田万太郎
上を、その橋の袂の鬱陶しく繁った柳のかげを、心さびしく吹いて通った。――そうした鋳掛松の……とんだその鋳掛松の真似も、かれにすれば、今度こそ是が非でも望みをとげ....