»
錠
「錠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ル》の船の医者に、究理の学問を教わりました。それを実地に役立てさえすれば、大きい
錠前を※《ね》じ切ったり、重い閂《かんぬき》を外したりするのは、格別むずかしい事....
「影」より 著者:芥川竜之介
に、誰も人のいる理由はない。もしいるとすれば、――いや、戸には寝る前に、ちゃんと
錠《じょう》が下《おろ》してある。ではこんな気がするのは、――そうだ。きっと神経....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だ! とうとう僕は抱きつかれてしまった!」
僕はとっさに詩集を投げ出し、戸口の
錠《じょう》をおろしてしまいました。しかし鍵穴《かぎあな》からのぞいてみると、硫....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
したから、見合わせてそのじいの倅の友だちの叔父の神田の猿楽町《さるがくちょう》に
錠前なおしの家へどうとかしたとか、なんとか言うので、何度聞き直しても、八幡《やわ....
「死後」より 著者:芥川竜之介
ことさえ稀《まれ》ではない。こう言う僕の枕もとにはいつも読書用の電燈だのアダリン
錠《じょう》の罎《びん》だのが並んでいる。その晩も僕はふだんのように本を二三冊|....
「或る女」より 著者:有島武郎
タクトは充分に持っていた。十五の時に、袴《はかま》をひもで締《し》める代わりに尾
錠《びじょう》で締めるくふうをして、一時女学生界の流行を風靡《ふうび》したのも彼....
「或る女」より 著者:有島武郎
シミヤの袴《はかま》を裾《すそ》みじかにはいて、その袴は以前葉子が発明した例の尾
錠《びじょう》どめになっていた。貞世の髪はまた思いきって短くおかっぱに切りつめて....
「星座」より 著者:有島武郎
ていようと思った。
思いやりもなく荒々しく引戸を開けて、ぴしゃりと締めきると、
錠《じょう》をおろすらしい音がした。純次は必要もない工夫のようなことをして得意で....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
間に降り立ち、竈の火もとを充分に見届け、漁具の整頓を一わたり注意し、入り口の戸に
錠前をおろし、雪の吹きこまぬよう窓のすきまをしっかりと閉じ、そしてまた囲炉裏座に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
に笏を地に投げつけ、マントと晴着とをずたずたに破りすてた。 次の瞬間にクララは
錠のおりた堂母の入口に身を投げかけて、犬のようにまろびながら、悔恨の涙にむせび泣....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ばんのなかにはいっていました。 ところが、これが、とんだとぼけたかばんでした。
錠前をおすといっしょに、空のうえにまい上がるのです。ひゅうッ、さっそく、かばんは....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
上げました。もう一分間遅れても、妙子の命はなくなります。遠藤は咄嗟に身を起すと、
錠のかかった入口の戸を無理無体に明けようとしました。が、戸は容易に破れません。い....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
何もかもが、なんの変哲もなく、ただ悲しく繰返されるだけだった。家へ帰って来て
錠前の穴に鍵をさし込む時のそのさし込みかた、自分がいつも燐寸を探す場所、燐寸の燐....
「活人形」より 著者:泉鏡花
手口と覚しき処に行きて、もしやと引けども同じく開かず。いかにせんと思いしが、ふと
錠前に眼を着くれば、こは外より鎖せしなり。試みに袂を探りて、悪僕より奪い置きたる....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
がして寄ってたかって打つ、ける、なぐるという始末。おまけに監房に帰された時は革手
錠で後手にくくりあげられていた。革手
錠は一週間ぐらいだったが、苦しくてろくろく寝....