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錠前
「錠前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錠前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ル》の船の医者に、究理の学問を教わりました。それを実地に役立てさえすれば、大きい
錠前を※《ね》じ切ったり、重い閂《かんぬき》を外したりするのは、格別むずかしい事....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
したから、見合わせてそのじいの倅の友だちの叔父の神田の猿楽町《さるがくちょう》に
錠前なおしの家へどうとかしたとか、なんとか言うので、何度聞き直しても、八幡《やわ....
「星座」より 著者:有島武郎
ろすらしい音がした。純次は必要もない工夫のようなことをして得意でいるのだが、その
錠前もおそらくその工夫の一つなのだろう。こんな空家同然な離れに
錠前をかけて寝る彼....
「生きている腸」より 著者:海野十三
生吹矢隆二は、ようやく八日目に、自宅の前に帰ってきた。 彼はおもはゆく、入口の
錠前に鍵をさした。 (すこし遊びすぎたなあ。生きている腸《はらわた》――そうだチ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
間に降り立ち、竈の火もとを充分に見届け、漁具の整頓を一わたり注意し、入り口の戸に
錠前をおろし、雪の吹きこまぬよう窓のすきまをしっかりと閉じ、そしてまた囲炉裏座に....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
金が横に仆れて、堅固なつっぱりになる仕掛だった。その上、下ろされた腕金には逞しい
錠前が懸るようになっていた。 いつも内部で気をつけていると、鉄の腕金の方は下ろ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
をした。 「ちょッ。この鞄には、鍵が二箇もぶら下っているのに、肝腎《かんじん》の
錠前《じょうまえ》がついていないじゃないか。見かけによらず、とんだインチキものだ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
が、しびれを切らせていった。 「そういう不作法なことは、おれは嫌れえだ。あくまで
錠前を外して開くんだ」 烏啼は頑として彼特有の我を通す。 三時間、三時間半…....
「火星兵団」より 著者:海野十三
仕掛が働き出すのであった。つまり、そのように二つの時計を鳴らさせるということは、
錠前を鍵ではずしたことにもなり、また、床を動かす仕掛のスイッチを入れることにもな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
して、安全なように直していった。ところが第六倉庫の前へ来てみると、外そうと思った
錠前がすでにはずれているではないか。いや、
錠前は、なにか金鎚みたいなもので叩きつ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
の香のする日の影を、まともに吸って、くしゃみが出そうなのを獅噛面で、 (鋳掛……
錠前の直し。) すくッと立った電信柱に添って、片枝折れた松が一株、崖へのしかか....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ばんのなかにはいっていました。 ところが、これが、とんだとぼけたかばんでした。
錠前をおすといっしょに、空のうえにまい上がるのです。ひゅうッ、さっそく、かばんは....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
何もかもが、なんの変哲もなく、ただ悲しく繰返されるだけだった。家へ帰って来て
錠前の穴に鍵をさし込む時のそのさし込みかた、自分がいつも燐寸を探す場所、燐寸の燐....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
短篇集『マルコム・セージ』の中の一篇にこのトリックの典型的なのがある) (二)、
錠前も閂もいじらずに唯ドアの蝶番を外す。――これは学校生徒達が鍵のかかった戸棚か....
「活人形」より 著者:泉鏡花
手口と覚しき処に行きて、もしやと引けども同じく開かず。いかにせんと思いしが、ふと
錠前に眼を着くれば、こは外より鎖せしなり。試みに袂を探りて、悪僕より奪い置きたる....