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「錠剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錠剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
造血剤。 これは、ヴィタミンの注射液。注射器は、これ。 これは、カルシウムの錠剤。胃腸をこわさないように、ジアスターゼ。 これは、何。これは、何、と五、六....
花嫁の訂正」より 著者:渡辺温
書かれてあった。 二人は容易にその意味を理解した。そしてその夜、壜の中の赭黒い錠剤を一個ずつ飲んで、天の花園へ蜜月旅行に旅立つために、二人はあらためて、花嫁と....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
滌をやっている。 金盥の中を覗くとドロドロの飯粒と、糸蒟蒻が漂っている中に白い錠剤みたようなもののフヤケたのがフワフワと浮いている。 患者は、 「ガワガワ…....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
思うがね。私のはそれをもっともっと精製したもので、薄青い結晶になっている。それを錠剤にして馬に服ませると、今云ったような恐ろしい中毒を起すが、反対に人間の重病患....
姥捨」より 著者:太宰治
たるい通俗小説じみた、――腹立たしくさえなって、嘉七は、てのひらから溢れるほどの錠剤を泉の水で、ぐっ、ぐっとのんだ。かず枝も、下手な手つきで一緒にのんだ。 接....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くしたら注射の為に水上先生が見えて、薬のことを御相談しましたら、強力メタボリンの錠剤と日本橋の日本ロッシュ会社発売のレドクソン(C)とを併用すれば一番よかろうと....
別れの辞」より 著者:豊島与志雄
二日も眠らしておけばいいでしょうと、事もなげに云った。宮崎の懐から、カルモチンの錠剤の壜が見出された。常用していたものと見えて、使用の予想量よりもひどく多分にへ....
或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
起き上り、整理小箪笥の一番下の抽出を探ると、幾つかの小壜がある。机の上に、数粒の錠剤をころがしてみる。扁平な白い錠剤をもてあそぶのは、童心の喜びだ。おれはそれら....
擬体」より 著者:豊島与志雄
をぬすみ物音をぬすんで、道具立てをした。鋭いナイフ……安全剃刀の刄……アドルムの錠剤……オキシフル……絆創膏……繃帯……。それらのものを室の卓上に揃えた。薬缶に....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のである。第一、うつ量も、今日の流行にくらべると問題にならない。 私は以前から錠剤の方を用いていたが、織田にすすめられて、注射をやってみた。 注射は非常によ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
神化学なんだぜ。そして、正午という一語から、昇汞という解答を発見すると、僕はその錠剤の不足を、薬屋の販売台帳から見つけ出したのだ。しかし、それから里虹の屍体を、....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
ろうと思いながら、とりだしてみると、アンチモニーの容器におさまったブロミディアの錠剤だった。 ジャンパーの胸のかくしから転げだしたのを拾われたのだと思っていた....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
通りまで出た。白く乾いた地面に日光が揺れていた。かた、かた、かたと金具を鳴らして錠剤屋《じょうさいや》が通り過ぎた。色の黒い錠剤屋が汗ばんだ額を光らせて、ちらと....