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「錦旗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錦旗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
列席を許された藤沢恒太郎が、やや下手の座から、口を切った。 「すでに、有栖川宮が錦旗を奉じて、東海道をお下りになっているという確報も参っております。王政復古は、....
乱世」より 著者:菊池寛
。ことに、長州とは蛤門の変以来、恨みがさらに深い。彼らは、桑名が朝敵になった今、錦旗を擁して、どんなひどい仕返しをするかもわからない。 藩中が、鼎のわくように....
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
幕軍は敗勢を返さんとして戦ったが、此日仁和寺宮|嘉彰親王が、金甲馬に跨り、前駆に錦旗を飜して、陣頭に進まれたので、絶えて久しき錦の御旗を仰いだわけで、官賊の別が....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
ら丁度六日目のことだった。勿論、その討伐軍は大垣、筑紫の両藩十万人を先鋒にして、錦旗にこの世の春を誇り乍ら、すでにもう江戸を進発しているのだ。右するも左するも事....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いよいよ三道より出発するとのうわさが兵庫神戸まで伝わって来た。大総督|有栖川宮は錦旗節刀を拝受して大坂に出で、軍国の形状もここに至って成ったとの風評はもっぱら行....
堺事件」より 著者:森鴎外
卒は初からフランス人に対して悪感情を懐いていた。それは土佐人が松山藩を討つために錦旗を賜わって、それを本国へ護送する途中、神戸でフランス人がその一行を遮り留め、....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
と称す、はたしてかれは英雄であるか、かれは傑出したる人材に相違ないが、いやしくも錦旗にたいして銃先を向けたものである、すでに大義に反す、なんぞ英雄といいえよう」....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
命はなきものと覚悟せよ。この絵図面もその方を信じて手渡す、これによって、日月章の錦旗|四旒《しりゅう》、菊花章の紅白の旗おのおの十旒を製して薩州屋敷に納めるよう....
南国太平記」より 著者:直木三十五
それから、江戸は四方から攻めかかれるが、当国は一方口じゃ。そして、天子を奉じて、錦旗を翻すなら、戦はそれまでであろう。斉彬公は、未だ、倒れんとする幕府を何んとか....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
しまった。局外者で戯曲を発表する人もあらわれなくなった。山田|美妙氏の『村上義光錦旗風』が単行本として出版されたが、これも余り問題にならなかった。須藤南翠氏の『....
福沢諭吉」より 著者:服部之総
がある。時の政権の将来にたいする満腹の同情と信頼があり、鞭韃《べんたつ》がある。錦旗東京城に飜《ひるがえ》ってのちも、福沢の心事は暗く閉じがちであった。「出島」....
三国志」より 著者:吉川英治
勅命によって、こよい国賊を伐つ。民は安んじて、ただ朝廷をお護りし奉れ。若き者は、錦旗のもとに馳せつけ、一かたまりとなって、※都には悪逆無道、多年、天子を悩まし奉....
私本太平記」より 著者:吉川英治
かったことである。 世は大乱の底へと一気に急ぐはずだった。謀略のためには、嘘の錦旗や偽宣旨もおこなわれ、血まなこの幕府方は、目さえ見えなくなっていたのだから。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しかもわずかな日数のあいだに、どうして九州在国の豪族たちの手へ、帝の綸旨や下賜の錦旗などが行きわたっていたろうか。 どうもこれには裏面がある。帝の隠岐脱出と同....
私本太平記」より 著者:吉川英治
た嶮しい山坂を登りつめて行くのである。すると蒼古たる転法輪寺の大屋根と、一|旒の錦旗が見え、それから上は峰もない。 四条隆資は、法体だった。 この頭は、おと....