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錦木
「錦木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錦木の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
まないお染はなんだか肌寒いようにも思われた。 お花は酔って唄った。 ※立つる
錦木《にしきぎ》甲斐なく朽ちて、逢わで年経《としふ》る身ぞ辛き 彼女は一座の....
「妖術」より 著者:泉鏡花
っと正面へ魅まれた顔を上げると、右の横手の、広前の、片隅に綺麗に取って、時ならぬ
錦木が一本、そこへ植わった風情に、四辺に人もなく一人立って、傘を半開き、真白な横....
「島原心中」より 著者:菊池寛
は、こう答えておきながら、嘘をつくものです。 『女の名前は何というのだい?』 『
錦木といいます』 『いつ頃から、通っているのじゃ』 『十月の初めからです』 『じ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
物にする一尺の岩魚は、娘だか、妻女だか、艶色に懸相して、獺が件の柳の根に、鰭ある
錦木にするのだと風説した。いささか、あやかしがついていて、一層寂れた。鵜の啣えた....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
のは、順に数の重なった朱塗の鳥居で、優しい姿を迎えたれば、あたかも紅の色を染めた
錦木の風情である。 一方は灰汁のような卵塔場、他は漆のごとき崖である。 富士....
「昔の思い出」より 著者:宮本百合子
しの時、古い原稿を取出して、読み返して見るのはかなり面白かった。 その中に、「
錦木」という題で、かなり長い未完のものがでてきたので、私はふっと、可愛らしい思い....
「年譜」より 著者:宮本百合子
りして表紙をつけ手製本をつくった。 与謝野晶子の「口語訳源氏物語」のまねをして「
錦木」という長篇小説を書いた。(尻きれとんぼ)森の魔女の話も書いた。 両親たちは....
「錦木」より 著者:宮本百合子
が心がしずまるとともに、今日の行っても紫の君のこなかったこと又いくら文をやっても
錦木をたてても何のかえしさえして呉れない美くしい人のことを思ってかぐわしい香の香....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
とは、結婚をするということになる。だから、男は思う女の名を聞き出すことに努める。
錦木を娘の家の門に立てた東人とは別で、娘の家のまわりを、自身名と家とを喚うてとお....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
、赤松の一と抱えもあるのがあり、其の下に白川御影の春日燈籠があり、檜の木の植込み
錦木のあしらい、下草の様子、何やかや申分なく、鞍馬と御影の飛石に敷松葉から霜除け....
「日記」より 著者:宮本百合子
子」完成 To a sky-Lark 訳、 「猟人日記」、「希臘神話」熟読 「
錦木」 一月一日(木曜)晴 寒 〔摘要〕四方拝出席 四方拝出席、午後例の如....
「書記官」より 著者:川上眉山
しばしば密議を凝らせり。日は急がしきにつれて矢のごとく飛びぬ。露深く霧白く、庭の
錦木の色にほのめくある朝のこと、突然車を寄せて笑ましげに入り来るは辰弥なり。善平....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
ツは、よい揚げ豆腐を手に入れることは言わずもがな、新鮮な大根を求めることにある。
錦木――京の木屋あたりで流連でもしたご経験のある方なら、先刻ご存じのもの。宵の遊....