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「錦絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錦絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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少年」より 著者:芥川竜之介
いた。両国の「大平《だいへい》」に売っている月耕《げっこう》や年方《としかた》の錦絵《にしきえ》をはじめ、当時流行の石版画《せきばんえ》の海はいずれも同じように....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
しいもの言いした。 「此家《こちら》に何だね、僕ン許《とこ》のを買ってもらった、錦絵《にしきえ》があったっけね。」 「へい、錦絵。」と、さも年久《としひさ》しい....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
見ぬ恋にも憧憬れよう。 欲いのは――もしか出来たら――偐紫の源氏雛、姿も国貞の錦絵ぐらいな、花桐を第一に、藤の方、紫、黄昏、桂木、桂木は人も知った朧月夜の事で....
追憶」より 著者:芥川竜之介
評判になったのを覚えている。いったいひとり荒岩に限らず、国見山でも逆鉾でもどこか錦絵の相撲に近い、男ぶりの人に優れた相撲はことごとく僕の贔屓だった。しかし相撲と....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
す。――人も立ち会い、抱き起こし申す縮緬が、氷でバリバリと音がしまして、古襖から錦絵を剥がすようで、この方が、お身体を裂く思いがしました。胸に溜まった血は暖かく....
海異記」より 著者:泉鏡花
ら、 「厭な児だよ、また裾を、裾をッて、お引摺りのようで人聞きが悪いわね。」 「錦絵の姉様だあよ、見ねえな、皆引摺ってら。」 「そりゃ昔のお姫様さ。お邸は大尽の....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
も、引寄せた手を離しましょうか。 胸の思は火となって、上手が書いた金銀ぢらしの錦絵を、炎に翳して見るような、面も赫と、胡粉に注いだ臙脂の目許に、紅の涙を落すを....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、峨々たる巌石を背に、十文字の立ち腹を掻切って、大蘇芳年の筆の冴を見よ、描く処の錦絵のごとく、黒髪山の山裾に血を流そうとしたのであった。が、仏法僧のなく音覚束な....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ほんにこの孫の母親、わしには嫁ごじゃ。江戸から持ってござっての、大事にさしゃった錦絵にそのままじゃ。後の節句にも、お雛様に進ぜさした、振出しの、有平、金米糖でさ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
世の転換をしている。この向島も全く昔の俤は失われて、西洋人が讃美し憧憬する広重の錦絵に見る、隅田の美しい流れも、現実には煤煙に汚れたり、自動車の煽る黄塵に塗れ、....
凧の話」より 著者:淡島寒月
しらえたもので、上野の広小路で売っていたのである。その頃この広小路のすが凧売りの錦絵が出来ていたと思った。 さて私の子供の時分のことを思い出して話して見よう。....
東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
感じなければ外に安住するところはない。 広重の情趣 尤も、今の東京にも、昔の錦絵にあるやうな景色は全然なくなつてしまつたわけではない。僕は或る夏の暮れ方、本....
浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
浮世絵画家の肉筆というものは、錦絵とはちがった別の味わいがあるものですが、こんど蒐集陳列されたものは、屏風、掛....
三枚続」より 著者:泉鏡花
店の真中へ二足三足、あかり前へ、お夏は釣洋燈の下に立ち寄った。新版ものの表紙、錦絵の三枚|続、二枚合せ、一枚もの、就中飼鶏がぱっと色彩を放って、金、銀、翠、紅....
註文帳」より 著者:泉鏡花
、お前、お嬢さんが可哀そうにお邸の前へ茣蓙を敷いて、蒔絵の重箱だの、お雛様だの、錦絵だのを売ってござった、そこへ通りかかって両方で見初めたという悪縁じゃ。男の方....