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錮
「錮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
多年の計策は、一朝にして失敗せり。しかして今や我らは、隘屋《あいおく》のうちに禁
錮せられ、飲食、休息、睡眠すべて困難なり。我らは、この囹圄《れいご》より脱する能....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
判決文も、いつものように朗々とは響きませんでした。 「被告|何某《なにがし》を禁
錮一年に処す」という主文の宣告があった後、いくら待っても、執行猶予の言い渡しが続....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
は立たず、死刑とは極ったが唯|丁年《ていねん》未満で有った為一等を減じて終身の禁
錮《きんこ》になり、四年ほど牢の中に苦しんで終に病死した、其の女の名は確かお夏―....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なければならなかった。彼はできる限り論争を避けようと務めたが結局やはり不名誉な禁
錮の刑を宣告され、その上に地動説の否定を誓わさせられた。しかしてそれ以来、太陽系....
「島原心中」より 著者:菊池寛
家がみると、かなりおかしいところがたくさんあるのです。懲役の刑しかないところが禁
錮になっていたり、三年以上の懲役の罪が二年の懲役になっていたり、ずいぶん変なとこ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
れて了ったと、賢しら顔して云う人もあるが、客間の粧飾となっていようと質屋の庫に禁
錮されていようと、久しい間には誰かゞ読む。一人が読めば一人だけを益する。ツマリ数....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
うなずくのを見ると、こんどは両方の判事に何か一こと二こと言って、 「それでは、禁
錮幾カ月、罰金いくら。その次は何の誰……」 というような調子で、一瀉千里の勢い....
「獄中記」より 著者:大杉栄
庵二た切と胡麻塩、と来たのだからますます堪らない。 加うるにこんどは今までの禁
錮と違って、懲役と言うのだから、一定の仕事を課せられる。しかもその仕事が、東京監....
「火薬船」より 著者:海野十三
めがわるいや。とらえられりゃ、どうせ竹の野郎は、死刑にならないまでも、船底に重禁
錮七日間ぐらいはたしかでしょう」 丸本は、なかなか承知をしない。 事務長も、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
どの中の奴なら、何か後暗いことをしおるに相違ないでの。仔細に観察すると、こいつ禁
錮するほどのことはのうても、説諭位はして差支えないことを遣っとるから、掴み出して....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
日本人は或る工事を請負って職工を捜すため浦塩哈爾賓間を数度往復したので三カ月の禁
錮に処された。日本人という日本人は皆こういう常識では理解されない無法な圧迫を受け....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
初頭という遠い将来のことである。目下の情勢を簡単に説明すればラレイの名誉失墜と禁
錮である。ラレイは女王の侍女の一人エリザベス・スログモオトンとの情事で、女王の忌....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、もしその禁を犯すものあるときは英国の刑法に照らし、十円の罰金かまたは一カ月の禁
錮に処することを掲示してあるが、甲板上にタンツバを吐くことの禁制がないためにタン....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
衢に罪福を説いたりしたがために、釈教に背き法令を犯すものとして罰せられ、枳林に禁
錮されたとさえ言われているのである。 かくの如き厳格なる令条の規定があってみれ....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
、敵方の忍びの者を捕えて、後に重ねて敵から紛れ来るものの目明かしにすべしとて、禁
錮しておいたとの記事がある。これを岡引というのも、もと犯人の居所に手引きせしめる....