錯乱[語句情報] »
錯乱
「錯乱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錯乱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
号《さけ》びぬ。 白糸の耳には百雷の一時に落ちたるごとく轟《とどろ》けり。精神
錯乱したるその瞬息に、懐なりし出刃は渠の右手《めて》に閃《ひらめ》きて、縁に立て....
「俘囚」より 著者:海野十三
果です」 一座は苦しそうに揺《ゆら》いだ。 「しかし博士は、何かの原因で精神が
錯乱せられた。そしてあの兇行《きょうこう》を演じたのです。小さいパイプの中を抜け....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
とも躊躇されたのです。警部は我が身を、フィラデルフィア迷路の中に彷徨しながら精神
錯乱した男に較べて、脳髄のしびれて来るのを感じたことでありました。 兄の屍体は....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
な下半身が、お互いの目に映ったなら、幾万人の避難民は、あまりの浅間しさに、一時に
錯乱してしまったことだろう。 そんなにまで一心になって、迫りくる毒瓦斯から脱れ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
僕にもどうも解せないんだ。まるで、穽の中を歩いているような気がするよ」と法水にも
錯乱した様子が見えると、
「僕はその点が両方に通じてやしないかと思うよ。いまの真....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
一体、博士はどこへ行ってしまったのであろうか。 人騒がせな博士の失踪は、精神|
錯乱の結果でもなく、況んや海を越えて和平勧告に行ったものでもなかった。しかし金博....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
りながらその実わずかにワイトマンが員数外の鼠を思い出す虞あるのに対し、彼の精神を
錯乱させる材料に使われたに過ぎない。事実ワイトマンは憤怒し、員数外の鼠がレッドの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ど役に立つことになるかもしれないからである。まったく不思議なことではあるが、精神
錯乱を暗示したのは船長自身であって、その怪しい行為の原因が単なる特異の風変わりと....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
に前の幕で、オフェリヤは一々花を取り違えたじゃないか。然し、決してそれは、幡江の
錯乱が生んだ産物ではないのだよ。あの女の皮質たるや、実に整然無比、さながら将棋盤....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
。あれは恋などと云う生やさしいものではない。あれはもはや狂気だ! 恐るべき精神の
錯乱なんだ! そうかと思うと今度は、また行方も分かぬ虚空の彼方に眼をやって…… ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
たのです。私の枕もとには母がおりました。 私はそうした事がすべて、怖ろしい精神
錯乱のうちに見た悪夢だったのだと思ったのです。そこで私は口ごもりながら云いました....
「キド効果」より 著者:海野十三
会へ原稿を急送したいのだ。君、直ぐに翻訳にかかってくれ給え」 丘助手は、博士が
錯乱せられたのかと一時は考えた程だった。しかし事情は段々と判った。 「……そうい....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
しました。やがて十一発目が飛んで行きました。科学と神秘との交錯した光景に私の頭は
錯乱したようになって亢奮に身を顫わせて空を見上げました。アアママ、自然の力の如何....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
の刺激または病患等の事情に接するときは、その序次権衡を失して、心力の不平均関係の
錯乱を生ずるをもって、一部分の不覚を見るに至るなり。 以上の諸事情によりて起こ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ので、十一月になって為重が仰せる蒙り、永徳三年(弘和三年)に一応完成した。がまた
錯乱を修正して翌至徳元年(元中元年)十二月に奏覧ということになった。かくて最後の....