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錯落
「錯落〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錯落の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
でした。その晩もとうとう寝床を起きてしまいまして、幸い月夜でもあり、旅館を出て、
錯落とした松樹の影を踏みながら砂浜へ出て行きました。引きあげられた漁船や、地引網....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
肩を襲う。自然石《じねんせき》の形状《かたち》乱れたるを幅一間に行儀よく並べて、
錯落《さくらく》と平らかに敷き詰めたる径《こみち》に落つる足音は、甲野《こうの》....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
加えた。古伽藍《ふるがらん》と剥《は》げた額、化銀杏《ばけいちょう》と動かぬ松、
錯落《さくらく》と列《なら》ぶ石塔――死したる人の名を彫《きざ》む死したる石塔と....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
かった。勿論当時の人間には国籍も住所も定っていない。水草を追うて浮動する小部隊が
錯落として散在した事であろう。今日|謂う所の如き「家」とか「社会」とかいう観念の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人と、その名前だけを記しているのもある。 与八は浅からぬ興味をもって、その長短
錯落した楽書を、次から次へと読んで行きましたが、ここは相当に教養のある人も通ると....
「魔都」より 著者:久生十蘭
めてあったものと見え、互いに素早い合図を交し、東と南の二タ手に分れて、ゴロゴロと
錯落する切石を跳ね越えながら、巧みに逃げ延びて行く。地面の上にはそういろいろな障....