錯誤[語句情報] » 錯誤

「錯誤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錯誤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を用いずに、美とか真とか善とか言う他の標準を求めるのは最も滑稽《こっけい》な時代錯誤であります。諸君は赤らんだ麦藁帽《むぎわらぼう》のように旧時代を捨てなければ....
性急な思想」より 著者:石川啄木
思索の方針である智識を有せざる彼等文芸家が、少しでも事を論じようとすると、観察の錯誤と、推理の矛盾と重畳《ちょうじょう》百出《ひゃくしゅつ》するのであるが、これ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
好な背景を与える結果にはなったが、それを解して彼が強かったからだと思うのは大きな錯誤といわねばならぬ。ルッソーでもショーペンハウエルでも等しくそうではなかったか....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
画界の末席をけがす一人の人間として、かくのごとく不可思議な、しかもあまりにも時代錯誤的な話題を天下に提供することに堪え得ざる屈辱を感じる。しかもなお、それをあえ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
士は、そのようなビルディングの蔭を七つ八つも通りすぎてから、これはまた何と時代|錯誤な感じのする煉瓦建のビルディングの扉を押して入って行った。そこで紳士は直ぐ左....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うな潜在意識だとすれば、恐らく法水の勝利であろう。けれども、もし単に、一場の心的錯誤だとしたら、それこそ推理測定を超越した化物に違いないのである。乙骨医師は時計....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その場へ駈けつけた三人の女は、たしかにお菊のうしろ姿を見たという。それには何かの錯誤がなければならないと彼は又かんがえた。 彼は更に念のために、庭下駄を穿いて....
水の女」より 著者:折口信夫
したものと見てもよい)した。こうした因明以前の感情の論理は、後世までも時代・地理錯誤の痕を残した。 湯河板挙の精霊の人格化らしい人名に、天湯河板挙があって、鵠....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
等室の買切りが、はや市中の話題を独占してしまったが、詰まる所は、尾彦楼お筆の時代錯誤的な大尽風となってしまい、その如何にも古めかし気な駄駄羅振りには、栗生武右衛....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、毎日防堤との距離が遠くなるのを考えて、そこがあるいは、岬の角ではないかという、錯誤を起してしまったのです。 さあ夫人、『|鷹の城』を潜航させて、防堤下の海底....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
等の仲間で、蒲原氏の創作詩の解き難い部分をふらんすを考えるのは、第一国語としての錯誤感を及して来る訣なのである。古語が詩の文体の基礎として勢力を持った事が長く、....
」より 著者:岡本かの子
往来へ出ても、電車、自動車、自転車、現代人の歩行のスピードと京子の動作は、いつも錯誤し、傍の見る目をはらはらさせる。加奈子は久しい前から、自分がついて行くにして....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
琴自身が決して歴史の参考書として小説を作ったのでないのは明らかで、多少の歴史上の錯誤があったからとて何ら文芸上の価値を累するに足らないのである。馬琴の作が考証|....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
実の数理であっても、科学者が天体を観測するに方って毫釐の違算がしばしば何千万億の錯誤を来すと同様に、眼前の研究にもまた同じ誤算がないとは限らない。数その物は確実....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
のように二十年前の日本を考えずにはいられなかった。同時に又ちょっと表忠碑にも時代錯誤に近いものを感じない訳には行かなかった。 この表忠碑の後には確か両国劇場と....