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錺
「錺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
を云って、その場は納まったが、後で聞くとやはりその女は、それから三日ばかりして、
錺屋《かざりや》の職人と心中をしていた。深間《ふかま》になっていた男がほかの女に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
若い者に訊いたら、ここのおかみさんを乗せて行った先は、本所のももんじい屋の近所の
錺屋《かざりや》だそうですよ」 ゆく先が
錺屋というので、彼は大いに意気込んでい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
通の兜師のところへ持ち込んでも、そんな細工を引き受ける筈はありません。金銀細工は
錺屋の職ですが、これも普通の
錺屋には出来ない芸です。といって、折角評判になったも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
下へ降りて行ったが、やがて引っ返して来て、去年の暮の二十八日に隣り町の豊吉という
錺職人が一度たずねて来たのを女中の一人が知っている。但しその時は甚右衛門は留守で....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
の事、人出の多かった事、二十台あまりの神輿が並んだ時の立派さ、夕日が照り返して、
錺の金物がピカ/\と光って綺麗に見えた事などを幾度も/\繰り返した。巡査に相手に....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
須弥壇、台坐等をやる。なかなか大変なものである。 それから、仏師|塗師、仏師|
錺師等いずれも分業者である。江戸ではその分業が一々|際立って、店の仕事が多忙しい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、雑役三十人、合わせて百七人を一組と定めて、これを印をつける。 塗師《ぬし》、
錺《かざり》職人、磨師《みがきし》、石工《いしく》なども二十五人一組の定めであっ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うわけで、彼はその夜のうちに召し捕られてしまった。賊は浅草観音のそばに住んでいる
錺り職人で、家には母もあり、妻子もある。貧の出来心から松浦弥左衛門という偽手紙を....
「落合町山川記」より 著者:林芙美子
、砲兵工廠《ほうへいこうしょう》に勤める人と下駄の歯入れをする人、隣家は宝石類の
錺屋《かざりや》さんで、三軒とも子供が三、四人ずついた。その子供たちが、皆元気で....
「江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
、養母《やしないおや》は、江木家へ引きとられていたが、養家では、生みの男の子には
錺職《かざりしょく》ぐらいしか覚《おぼ》えさせなかったが、勝気な栄子《えいこ》に....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
心の底に生れつきのように根をはっていたのでもあろうと考える。 大阪南区畳屋町に
錺屋《かざりや》の源兵衛《げんべえ》という人があった。その人の父親は、石山新蔵と....
「回想録」より 著者:高村光太郎
ンチモニーの匙を初めて拵えた半分商人で半分職人の人がよく来て、家では歓迎した。又
錺半さんという
錺屋の職人がよく出入りしていたが、非常によい腕をもった人で、観音様....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
それで、今度は普通のチャボの、つまり背の低い方のを探したいと思い、御成街道の
錺屋に好いのがいるという話を聞いたので、また出掛けて行きました。 御成街道のど....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ってして、懐中のある間は諸国旅行ばかりして漂泊い歩行く。 一向に美術家でない。
錺屋、
錺職をもって安んじているのだから、丼に蝦蟇口を突込んで、印半纏で可さそうな....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
云ったけれど私にはよく分らない。(指環も簪も拵えるのじゃ。)と親仁様が言ったから
錺職さんですわね。その方のお骨が納っているんですってね。」 「ああ、
錺職――じゃ....