鍋墨[語句情報] »
鍋墨
「鍋墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鍋墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
き取って、そばに立っている幸次郎にその紙をそっと見せた。 「こりゃあなんだ」 「
鍋墨のようですね」 「向う両国に河童は何軒ある」 「河童は……」と、幸次郎は考え....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
イヨ奇怪に存じておりまするところへ一個月ばかり前の事で御座います。有名な窃盗犯で
鍋墨の雁八という……」 「ウムウム。福岡から追込まれて来て新入坑の坑夫に紛れ込ん....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
を大事にする気持があるらしく、その日から娘二人は、山男の身なりで、おどけ者の妹は
鍋墨で父にそっくりの口髭など描いて出かけ、町人里人の弱そうな者を捜し出してはおど....
「骸骨館」より 著者:海野十三
の白いところをかいてしまうんだ。上は顔から、下は足までね。それから残ったところを
鍋墨か煤かでもって、まっくろに塗っちまうのさ。そうすると僕たちが骸骨に見えるじゃ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
へんなことになったわね。あたしどうしていいかわからないの。田舎じゃ、娘たちが顔に
鍋墨をなすってたどんのおばけのようにするんですって。まさかそうも出来ないし」 ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
夕日の輝くは天気の兆しなりという。また、ある書に、「灯心に丁字頭立てば旱なり」「
鍋墨に火点ずれば雨晴るる」という。ある人の天気を詠ずる歌に、 夢見るは雨と日和の....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
天気の前兆であるとか、あるいは行灯の灯心にちょうができれば天気の兆候であるとか、
鍋墨に火が付けば晴天の兆しであるとかいうごとく、従来の経験上、多少基づくところが....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
めりに、ひょろひょろと、横っ飛びに蹌けかかった黒んぼがある。此奴の面の黒いこと、
鍋墨と墨汁とを引っ掻き交ぜて、いやが上に、処きらわず塗り立て掃き立てたと見えて、....