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鍋底
「鍋底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鍋底の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
も、腹も、後足《あとあし》も、すらりと上品に延《の》びた尻尾《しっぽ》も、みんな
鍋底《なべそこ》のようにまっ黒なのです。まっ黒! まっ黒! 白は気でも違ったよう....
「道草」より 著者:夏目漱石
れを着て得意に手を引かれて歩いた。 彼の帽子もその頃の彼には珍らしかった。浅い
鍋底《なべぞこ》のような形をしたフェルトをすぽりと坊主頭へ頭巾《ずきん》のように....
「食魔」より 著者:岡本かの子
エキスで調味されてあった。大根は初冬に入り肥えかかっていた。七つ八つの泡によって
鍋底から浮上り漂う銀杏形の片れの中で、ほど良しと思うものを彼は箸で選み上げた。手....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
しいといって身震をしやあがって、コン畜生、その癖|俺にゃあ三杯と啜らせやがって、
鍋底をまた装りつけたろう、どうだ、やい、もう不可ねえだろう。勿体ない打棄った処で....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
すじを立て威猛高に喚いた。 「さもしいことをいうな」と又八は蔑んで―― 「多寡が
鍋底の雑炊飯や、一合に足らぬ濁り酒のことで、青筋を立てるほどのことはあるまいが」....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れた木の腰掛が一脚、二脚、クリロフの一家はここで、互に向い合せて、さて、スープの
鍋底を大きな杓子でひっ掻きまわし、パンをもぎり、赤酒を、また牛の髄骨をしゃぶるら....