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「鍋蓋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鍋蓋の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
でそれがまた直《すぐ》除れるんだろうよ。髪剃でなくったって、杓子《しゃくし》でも鍋蓋《なべぶた》でも同じ事さ」 「しかしいくら御医者の薬を飲んでも癒《なお》らな....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
どれ入れるかナ。一寸待てよ、芋を見て――」 亭主は貝匙で芋を一つ掬った。それを鍋蓋の上に載せて、いくつかに割って見た。芋は肉を入れても可い程に煮えた。そこで新....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
深が一尺とはなかった。 移転の翌日、信者仲間の人達が来て井浚えをやってくれた。鍋蓋、古手拭、茶碗のかけ、色々の物が揚がって来て、底は清潔になり、水量も多少は増....
十二支考」より 著者:南方熊楠
欧州の軍士が円盾を手で使い分けたごとく、わが邦人に解るように言うなら、塚原老翁が鍋蓋を以て宮本武蔵と立ち廻ったごとしだ。紀州でモッコクの木を食う蠹《きくいむし》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しめました。こういう早業にかけては、けだし米友は天才の一人であります。 さて、鍋蓋を取払って見ると、新鍋の中は栗でした。 さいぜんから暖められていた鍋の中の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しませんでした。この老人を打ち取っても功名《こうみょう》にはならない。絵馬代用の鍋蓋試合《なべぶたじあい》をはじめたところで芝居にもならない。しかし、それから老....
迷信解」より 著者:井上円了
きときに、「ブタ」の見せ物の看板を掲げておいた。これを見るものその内部に入れば、鍋蓋一枚を置いてあったという話も同じことじゃ。今、筮者に請うて卜筮の判断をなさし....
食道楽」より 著者:村井弦斎
なければ塩水かあるいは上等にすればスープの中へ漬《つけ》ておいて茄子のような物は鍋蓋《なべぶた》か何かで押て水気を切て今の白ソースへ入れてホンの少しばかり温める....