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鍔際
「鍔際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鍔際の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
った。これは飛んでもないことをしたと、いまさら悔んでももう遅い。あわや絶体絶命の
鍔際になったときに、伜の兄が弟に眼くばせをして、素知らぬ顔でその竈に火を焚き付け....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ルッと彼は身顫いしたが、みるみる精気が全身に充ちた。と刀が鞘走り、その切っ先から
鍔際まであたかも氷の棒かのように、月の光に白み渡ったが、 「行者!」 と一声呼....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
えなかった。気勢で呼んだまでである。 「これはこうしてはいられない!」 大小の
鍔際を抱えるように、グッと握って胸へあてたが、片手で裾を端折ると、さながら疾風が....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
あろう。……それとも、拙者に怨みがあるか※」 こう云いながら宮川茅野雄は、刀の
鍔際をしっかりと抑えて、五寸あまりも鞘ぐるみ抜いて、右手で柄もとを握りしめて、身....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
郎氏、向こうへ行きましょう」 なだめるように声をかけた。新八郎は動かなかった。
鍔際を握った左の手が、ガタガタ顫えているらしい。刀の鐺が上下して見える。 「新八....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
来た。これには甚内も驚いたが、そこは武蔵直伝の早業、十手の雨を突っ切った。大小の
鍔際引っ抱え十間余りも走り抜ける。この時またも呼子の音が背後に当たって鳴り渡った....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
「参れッ」と叫んで振り返り、途端に日の光を叩き割り、切り込んで来た陣十郎の刀を、
鍔際で受けて頭上に捧げ、皮を切らせて敵の肉を切る、入身捨身仏魔の剱! それで切り....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
連絡があるらしい! 女の掏摸! あの老人!」
「本郷の殿様」は顫える左手で、刀の
鍔際をひっつかんだ。眼では老儒者を睨んでいる。
しかるに儒者ふうの老人を合点が....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
な――そんな義理を知らない……何年附いているんだ、先生のそばに?」 「うぬの命の
鍔際にゃァ主の首まで打つじゃまで、だ。」 「えゝ?」 「いざとなれば先生より手め....