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鍵穴
「鍵穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鍵穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
いた。その中《うち》にただ一点、かすかな明りが見えるのは、戸の向うの電燈の光が、
鍵穴《かぎあな》を洩れるそれであった。
陳はほとんど破裂しそうな心臓の鼓動《こ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
僕はとっさに詩集を投げ出し、戸口の錠《じょう》をおろしてしまいました。しかし
鍵穴《かぎあな》からのぞいてみると、硫黄《いおう》の粉末を顔に塗った、背《せい》....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
市長の手紙とが入っているボロ布包みだった。僕は急ぎ机のところへ駈けよって、引出の
鍵穴にガチャリと鍵をさしこむと、開いてみた。 「ああ、これだッ。――」 僕の直....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
令官室」と黒い札の上に白エナメルで書かれた室だった。 奇怪な湯河原中佐は、扉の
鍵穴に、なにものかを挿し入れてガチャガチャやっていたが、やっと扉が開いた。 も....
「蠅男」より 著者:海野十三
のであった。 扉には錠が懸っている。 まず安心していいと、彼は思った。そして
鍵穴に鍵を挿入して、ガチャリと廻したのであった。その瞬間に、彼は真逆自分が、腰を....
「地球盗難」より 著者:海野十三
何思ったものか持っていた洋杖を扉の方にズーッと差し出した。その洋杖の石附が、扉の
鍵穴に向けてジワジワと延びていった。ドクトルはまるで作りつけの人形のように動かな....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
に、洋間があった。彼はポケットから鍵束を出して鍵を探していたが、やがてその一つを
鍵穴に入れて廻した。 重い扉は、始めて開いた。 目賀野は鞄を持って、中へ入っ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
じょう》になっている牡牛の彫刻があるかと探したが、そんなものはなかった。もちろん
鍵穴もない。いろいろとやってみたが、扉はついにあかなかった。 「これはめんどうだ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
あくはずだ。どうかあいてくれますように」
先生は、心の中で祈りながら、秘密室の
鍵穴に鍵を入れてまわした。
すると、がちゃりと錠のはずれる音がした。
「しめた....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ばに持っていくと、 「おいおい、なぜうちのまわりをうろうろしているんだ。ははあ、
鍵穴をのぞいたな。変なまねをしていると、今に頭の上から、毒ガスをぶっかけるぞ」 ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
と、端を捻り、頭を抓んで、 「てるてる坊さん、ほほほ。」 すぼけた小鮹が、扉の
鍵穴に、指で踊った。 「いけないね、坊さん一人じゃあ足りないかね。そら、もう一人....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
も触れないと、思っていたのに違いありません。しかし実際は部屋の外に、もう一人戸の
鍵穴から、覗いている男があったのです。それは一体誰でしょうか?――言うまでもなく....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
閉されていた如くに思わしめる方法として次のような例が挙げられる。 (一)、内側の
鍵穴にある鍵をいじって密室とする類――これは昔から非常によく使われた方法だが、今....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
人の足音とさけび声がいりみだれて、たいへんなさわぎだった。 警官はドアに近より
鍵穴から外をのぞき見しながら、 「ほんとに透明人間らしいな。警棒をもってくればよ....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
起きていらっしゃらないので、ドアをノックいたしてみましたがお返事がございません。
鍵穴からのぞくとベッドが空っぽでしたからびっくりして、御本邸へお知らせいたしまし....