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鎗
「鎗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
え。世間にゃそうした情無え了簡な奴ばかりだから、そんな奴等へ面当に、河野の一家を
鎗玉に挙げたんだ。 はじめから話にならねえ縁談だから可いけれど、これが先生も承....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、三の楯類、テオドシウス鉄鞭、アラゴン時代の戦槌、ゲルマン連枷、ノルマン型|大身
鎗から十六世紀
鎗にいたる、十数種の長短直叉を混じた
鎗戟類。また、歩兵用|戦斧をは....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
の国道と県道を四百里ほど歩いた。大正十四年の八月終りには蓮華温泉から白馬岳に登り
鎗温泉に下り、吉田口から富士山に登り御殿場に下山を皮切りに、九月には大峰山脈を縦....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
ま、退く者はなかった。 始め、幸村は暑熱に兵の弱るのを恐れて、冑も附けさせず、
鎗も持たせなかった。かくて、敵軍十町ばかりになるに及んで、使番を以て、「冑を着よ....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
て、信雄と氏郷の陣を夜襲した。蒲生氏郷自ら長槍を揮って戦い、胸板の下に三四ヶ所|
鎗疵を受け、十文字の
鎗の柄も五ヶ所迄斬込まれ、有名な鯰尾の兜にも矢二筋を射立てら....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
すら忘れていた位。 不意に橋の上に味方の騎兵が顕れた。藍色の軍服や、赤い筋や、
鎗の穂先が煌々と、一隊|挙って五十騎ばかり。隊前には黒髯を怒らした一士官が逸物に....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
月光下の箱根山 それは大変月のいい夜のことでした。 七月の声は聞いても、此所は山深い箱根のことです。夜に入ると
鎗の穂先のように冷い風が、どこからともなく流れてきます。 「兄さん。今夜のようだ....
「形」より 著者:菊池寛
のころ、畿内を分領していた筒井、松永、荒木、和田、別所など大名小名の手の者で、『
鎗中村』を知らぬ者は、おそらく一人もなかっただろう。それほど、新兵衛はその扱き出....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
塩漬けの肉が三樽、それから極めてわずかのコーヒーの実と、砂糖とがある。また、後船
鎗と戸棚の中とに、鮭の鑵詰、スープ、羊肉の旨煮、その他のご馳走がある。しかし、そ....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
内というは同じ盗賊ながら日本を回国し、孝子孝女を探し、堂宮の廃れたるを起こし、剣
鎗に一流を極わめ、忍術に妙を得、力量三十人に倍し、日に四十里を歩し、昼夜ねぶらざ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
。岡郷介を戻せばよし、飽迄知らぬ存ぜぬとあらば、郷介の父郷左衝門をこの場において
鎗玉に上げる」 椎名金之丞は大音にこう城内へ申し入れたが、城内からの返答は以前....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
している彼の言ゆえ、信ずるに足りないが、その言うところによれば、彼の祖父は代々|
鎗一筋の家柄で、備前岡山の城主水野侯に仕えていた。 彼の五代の祖、川那子満右衛....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
仞の谷底に落ちようとする場合にはうまく岩の端へ杖を突き立てて防ぐ。その杖の先には
鎗のような鉄が付いて居るです。もっとも沢山雪の広く積ってある所はそれほど巌も厳し....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
掛けに弾ね上げられ、人生を見直し出した従容たる態度の歌であります。蕭条たる秋風に
鎗を立てて微笑む鹿之助の顔が眼に泛ぶのであります。 「男が話が判ってくるのは一度....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
必ず多かるべきことはもちろんである。「切取、強盗は武士の習い」とか、「分捕功名、
鎗先の功名」とか、体裁のよい遁辞の前に、いわゆる大功は細瑾を顧みずで、多くの罪悪....