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鎮まる
「鎮まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎮まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《じらい》、機会さえあれば修理に苦諫《くかん》を進めた。が、修理の逆上は、少しも
鎮まるけはいがない。寧《むし》ろ、諫《いさ》めれば諫めるほど、焦《じ》れれば焦れ....
「富士」より 著者:岡本かの子
の山は確に葉守《はもり》の神もいそしみ護る豊饒な山に違いない。そしてまた、そこに
鎮まる岳神も、嘗《かつ》て姉の福慈の女神と共に、東国へ思い捨てたわが末の息子が成....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の驚愕にぶつかっていることは事実だ」 やがてこの調査団室の風が一先《ひとま》ず
鎮まる時が来た。それはワーナー博士が自席に戻りハンカチーフで額の汗を拭ったことに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
自分の空耳《そらみみ》であったのか、あれほどの格闘《かくとう》が俄かにひっそりと
鎮まる筈がない。一方が倒れたならば、尚更その物音がきこえる筈であるのに、何事も無....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そうだくらいの噂だったのですが、ともかくもこの大風に燃え出した火はなかなか容易に
鎮まる気づかいはないと思ったので、亀戸からすぐに引っ返して来たのは夕七ツ半(午後....
「蠅男」より 著者:海野十三
するのが得意な男でネ」 帆村は肩が痛むので左腕を釣っていた。大きな痛みがやっと
鎮まるのを待って、怺えかねたように口を利いた。 「――まあ怒るのは後にして頂いて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
とばしって、火と烟りが部屋じゅうにみなぎった。 しばらくして、火も消え、烟りも
鎮まると、そこには数十匹の猿が撃ち殺されていた。そのなかで最も大きいのがかの大王....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私の身も心も、その時急に引きしまるように覚えました。 『これから自分はこのお宮に
鎮まるのだ……。』 そう思った瞬間に、私の姿はいずくともなく消えて失せて了いま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りの馬はその恐ろしさに、あたかも化石したように立ちすくんだ。土や石の落ちる物音が
鎮まるや否や、わたしの連れはつぶやいた。 「ねえ、もし僕たちがもう少し前へ進んで....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
根瓦はほとんど完全に吹き飛ばされ、天井板も吹きめくられてしまいました。 風雨が
鎮まると、南国の空は高く晴れて、俄かに秋らしい日和になりました。旅館では早速に職....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
いらしかったが、となりの人たちはしゃべり疲れて、宵から早く床に就いたので、その寝
鎮まるのを待って、彼は小声で話し出した。 「今までおっかさんにも黙っていました。....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
来るであろう。泣く子を叱ればますます泣く。さしあたり宥め賺して、おのずとその泣き
鎮まるのを待つに如くはない。高武蔵守師直という駄々っ子にしゃぶらせる飴は、塩冶の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ずるに煽ぐという字は火偏に扇である、しかればますます奴の※が盛になっても、消えて
鎮まるべき道理はないが、そのかかることをいい、さることを為すは、深き仔細があった....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
に、横尾谷から驀然吹き上ぐる濃霧で、足懸りさえ見定めかね、暫時茫然として、雨霧の
鎮まるを俟てども、止みそうもない、時に四時三十分。今朝出がけには、槍の坊主小屋あ....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
大変悲しがりました、犬の子を絞め殺したこともありました。一時の発作ですから、気が
鎮まるとけろりとして、平常と少しも違わぬ優しい弘さんになるんですの」 「恥しいか....