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「鎮守の社〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鎮守の社の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
他雑穀、芋、味噌、醤油を与えると、それらの窮民らは得るに従って雑炊となし、所々の鎮守の社の空地などに屯集して野宿するさまは物すごいとさえ言わるる。紀州はじめ諸藩....
その年」より 著者:宮本百合子
うして貰わんことにゃどうにもならない」 在郷軍人会と国防婦人会が先に立って村の鎮守の社で出征家族の慰安会が行われ、お茂登も店を前の家のおかみさんに頼んで出席し....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
ある。また一方地形の影響で住民の定住性土着性が決定された結果は至るところの集落に鎮守の社を建てさせた。これも日本の特色である。 仏教が遠い土地から移植されてそ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
夜|這入るには何処から這入るか隠れて出這入する処は何処だえ」 海「彼処の諏訪様の鎮守の社の裏に一段高い土手がある、其の下に石で拵えた水門口のような処がある、彼処....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
言って、忽《たちま》ちその輩《やから》にくっついて駈け出しました。 ほどなく、鎮守の社へいって見ると、歌舞伎の柱を押立てて緞帳《どんちょう》をつり、まわりへ蓆....
ひでり狐」より 著者:豊島与志雄
ました。 「これもみんな鎮守《ちんじゅ》様のお影《かげ》だ」 そう言って、皆は鎮守の社《やしろ》で御礼の酒盛《さかもり》をしました。それぞれ出来る限りのごちそ....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
も高らかに、なつかしい母国の土を、一年ぶりでふんだ。そして、すぐその足で、女良の鎮守の社におまいりをした。 島で勉強したかいがあって、いままで、ろくに手紙もか....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
と、呼吸は咽んで、目は盲のようになるのでありました。 最早、最後かと思う時に、鎮守の社が目の前にあることに心着いたのであります。同時に峰の尖ったような真白な杉....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
いた気にした者であった。 今日こそはこっちから話しかけて見ようと構えたけれど、鎮守の社内を出てからは、もう見えなかった。 この日は丹那だけの巡検で終り、再び....
血の盃」より 著者:小酒井不木
の鄙には稀に見る美人であった。良雄とあさ子とは所謂幼な馴染であって、二人の家は、鎮守の社の森を隔てて居るだけであったから、二人はよく、神社の境内で砂をいじって遊....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
が他にも沢山ある。これによって思い合せることは、西の方の諸県では現在は村共同に、鎮守の社において行う烏祭を、東北や越後は今も家々で、個々に営んでいるのが多いこと....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
お社は、また下野の古江村にもありました。これも隣りの黒袴という村に、菅公を祀った鎮守の社があって、前からその村と仲が悪かったゆえに、こういう想像をしたのではない....