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鎮静
「鎮静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎮静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
った。 「……ヒロポン中毒とは一しょに暮していけません……」云々。 ヒロポンは
鎮静催眠剤とは反対に、中枢神経を一時的に刺戟して、覚醒、昂奮させる注射薬だが、坂....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
団が残ったのでありますが、他にまだ沢山の相当な国々があるのですから、本当に余震が
鎮静して戦争がなくなり人類の前史が終るまで、即ち最終戦争の時代は二十年見当であろ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
そこには抽出があった。懸金を外して、それを開けてみると、小さい薬壜があって、頭痛
鎮静剤というレッテルが貼ってあり、その硝子壜の中には薄青色の液体が入っていた。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
な実権者は、不浄役人どもに黒死館の心臓を窺わせまいとしている。だからさ、あの男が
鎮静注射から醒めた時が、事によるとこの事件の解決かもしれないのだよ」
法水は相....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、海へころげて落ちたろう。 馬鹿気ただけで、狂人ではないから、生命に別条はなく
鎮静した。――ところで、とぼけきった興は尽きず、神巫の鈴から思いついて、古びた玩....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
改めて大杉君を室内に入れた。皆が極度に興奮していたが、ことに荒畑君の興奮は容易に
鎮静しなかった。巡査らは荒畑君をわたしの室に入れて、そして水を持って来た。わたし....
「温浴」より 著者:坂口安吾
って負担になることがあった。 けれども、ヌルい湯に長くつかっていることは、頭を
鎮静させ、時空を忘れた茫々たる無心にさそいこんでくれる。うちの湯殿には灯がないの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
まったく流行してしまった。しまいには私もまた、土曜日に許されるグロッグ酒と適量の
鎮静薬と、神経強壮剤とをあわせ用いようかと、心が傾いてくるのを覚えてきた。迷信の....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
外国でも昔から言い伝えのあったものであるが、ぬるい湯にジッとつかっていれば精神が
鎮静する。誰にでも目に見えて分ることだから、そういう効能がどこの国でも昔から言わ....
「九段」より 著者:坂口安吾
年だから、あれほど生来の落付きをもっていても、気持ちのおのずからの浮き沈みを真に
鎮静せしめることができないようだ。 ★ 去年の初夏のことで....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
てお愛想に低く啼いて、眼をうるませるのを見ると、儀作のむかむかしていた胸は少しく
鎮静した。 厩の前には、すでに油をくれて、挽き出すばかりに用意された、荷馬車が....
「迷信解」より 著者:井上円了
の懸念が回復の妨害をなすために全治せざることあるにおいては、精神を慰安し、神経を
鎮静する方法をとることが肝要である。すなわち、マジナイ、神水等の治病に効験あるは....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
としたためで、教育家を一生の仕事とするツモリはなかったのだから、暫らくすると一時
鎮静した実業熱が再び沸熱して来た。 あたかもその時分、暫らく西比利亜に滞留して....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
の威霊ありと信ぜられた事から御霊ともいったものであったと解せられる。しかもそれが
鎮静して後に、遺ったところはただ夷神の偶像たるヒナ人形のみであった。 これはま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
った。 彼女の猜疑は、こんな予想外な形でいったん燃え上がったが、そのあとで再び
鎮静に帰した。ついに、エセックスのアイルランド総督任命に署名した。三月の終り、彼....